スピードメーターは一般的なキロ表示に加えてマイル表示も併記されている。試乗車は走行約1万kmで、コンディションも快調だった。
人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるジープ ラングラー アンリミテッド レビュー評価をまとめます。
※各項目に対して10点満点評価。
自分で運転するまでは、本当に買いそうなくらいテンションの上がっていた竹岡さん。それだけに、ドラポジが合わなかったことが残念そうでした。
自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
都会派のクロスオーバーSUVが大流行するなかで、ジープと言えばもうそれだけで個性的な世界観満点なんですけど、そのなかでもラングラーと言えば、ハードな本格派モデル。「ルビコン」とまでは行かなくても、「サハラ」でも十二分にタフに使えます。でも意外と都会も似合います。男女ともに颯爽と乗りこなすと、かなり絵になるジョーカー的存在の1台。
ひと昔前のこの手のクルマは、インパネまわりなども独特で、正直言って使いにくいものが多かったのですが、このクルマは普通に使いやすくレイアウトされているのが高ポイント。いわゆる普通のクルマに近いので、感覚的にパッと使えます。質感も安っぽさはないので、意外と大人な感じ。随所に散りばめられているジープのイラストアイコンもオトナカワイイ。
車幅はそこそこあるけれど、アイポイントが高くボディ形状も四角いため感覚が掴みやすいし、車幅にさえなれてしまえば、全長も短いので取りまわしは想像以上にラクチン。乗り心地もいいし、かなり本気でほしくなっちゃったくらいなのですが、どうやってもドライビングポジションが合わない。アクセルペダルが奥まで踏み込めないんです・・・(涙)。
ラングラーを愛車にしていた経験者でもある九島さん。その魅力は、卓越した悪路走破性とスタイルのよさとのことです。また「ルビコン」がほしくなったとか。
自動車ジャーナリスト 九島 辰也
●長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも、各国のクルマを乗り継ぐ。
SUV的なルックスを持つニューモデルが多数登場しているが、本物のクロカンと呼べるラングラーの存在は揺るがない。3代目となる現行型では、ホイールベースを延長して後席シートを2人掛けから3人掛けにしたアンリミテッドも登場し、さらにファン層を広げている。アメリカで悪路走破性を試したことがあるが、実力は非常に高く、信頼できるものだった。
以前のラングラーから比べたら、現行型は本当に使いやすく、快適になった。カーナビも見やすい位置に配置されているし、「サハラ」になればオートエアコンだって標準装備だ。また、助手席ミラーにカメラを取り付けたことによって、無粋な補助ミラーがないのも嬉しい。上級の「サハラ」になるとフェンンダーが同色塗装になってスタイリッシュだ。
今回の試乗はもちろんオンロードのみだったが、それでもラングラーアンリミテッドの魅力は十分に味わうことができた。それは、従来型に比べて大幅に洗練された乗り心地やノイズ、振動の少なさに起因する。速度を上げても車体はフラットで、コーナーで嫌なふらつきを感じることもない。後席も広いわけではないが、ファミリーユースにも耐えるだろう。
ラングラーの魅力は、クルマのおかげで生活がよりアクティブで楽しいものになるかもという予感がするところ。長く付き合えるタイプのクルマです。
本物だけが放つオーラとアメリカ車ならではの包容力が絶妙にバランスされているのがラングラーアンリミテッド。乗っているだけで一目置かれるいいクルマです。中古車相場的な目線で見ても、キャラクター性の高いクルマはリセールバリューがいい傾向にありますが、アンリミテッドはとくに4ドアというところが高く評価され、高値安定。いい買い物です。
本格クロカン4WDというと、スパルタンで快適性など二の次というイメージがあり、事実先代までのラングラーは普段乗りには少々我慢が必要でした。しかし、現行型になってから、エアコンやオーディオはもちろん、クルーズコントロールまで標準装備に。エアバッグなどの安全装備もしっかり備わっているので、週末の趣味だけでなく日常使いも大丈夫です。
外観や従来のイメージからすると拍子抜けするくらい乗り心地はソフトでしっとり系。それでいてアクセルを踏み込めば周囲をリードできるくらいの加速を披露しますし、コーナーだって乗用車感覚でスムーズに駆け抜けます。クセがあるとすれば、独特のペダル配置と左足スペースの狭さ。見切りもいいので、狭い都会の道でも自信を持って走れてしまいます。
全長×全幅×全高 | 4705×1880×1845mm |
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ホイールベース | 2945mm |
トレッド前/後 | 1570/1570mm |
車両重量 | 2020kg |
エンジン | V6DOHC |
総排気量 | 3604cc |
最高出力 | 284ps/6350rpm |
最大トルク | 35.4kg m/4300rpm |
サスペンション前後 | コイル リジッド |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 245/75R17 |
190万円〜450万円(2007年〜2016年 ※全グレード) |
2007.03 | フルモデルチェンジ |
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2007.11 | 一部改良 |
2008.04 | 「ルビコン」を追加 |
2008.11 | 一部改良 |
2009.11 | 一部改良 |
2011.02 | 一部改良 |
2012.01 | マイナーチェンジ ←今回の中古車 |
※ナンバープレートはハメ込み合成です。