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VOLVO Ocean Race Limited V70 / XC70 / XC90 |
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発表 2005・8 |
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オーシャンブルーが映える
魅力の限定車 |
これまでボルボお家芸の特別仕様限定車たちは
各コンセプトが映え、新鮮なインパクトをもたらしてきた
それはこの「オーシャンレース・リミテッド」でも健在だ |
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3車3様の際立つキャラクター性 |
ボルボがスポンサードしている世界でもっとも過酷な世界1周ヨットレース“2005ー2006ボルボ・オーシャンレース”、それを記念して生まれたのが、特別仕様となるオーシャンレース・リミテッドだ。対象となるのは、V70、XC70、XC90の06年モデル。専用色のオーシャンブルーパールは鮮やかで、装備品も充実。しかも、走行フィールがレベルアップしているとなれば、注目せずにはいられない。
3台のなかで最初に乗ったのは、V70シリーズのベーシックモデル・ベース車。NAのFFとあって、ターボを備えたAWDのXC70とはかなり見劣りするのではと思えた。ところが、走っていくうちに、無用な心配だったと知らされた。総合的なバランスもよく、これまで知るV70からは明らかにグレードアップしていたから。
V70の06年モデルは、従来の140馬力から170馬力へパワーアップ。それだけに、加速性能にはメリハリがつき、スポーティ感さえ味わえる。Dレンジフル加速では6500回転まで引っ張れスムーズ。どの領域からでも、まず不足ないレスポンスをもたらしてくれる。100km/hは、5速2100、4速2750、3速4100、2速6300回転相当。余裕のクルージングが楽しめる。
貴重な体験は、台風接近による強風のなかで優れた高速直進安定性を保ったこと。それはAWDのXC70以上というから価値がある。XC70は車高の高さが強風下ではマイナスとなったのだろう。
2.8回転のパワステは、とくにシャープとはいえないが、ハンドリングは安定志向でステーションワゴンの性格にふさわしい。V70エントリーモデル15インチに対し17インチを履くだけにスタビリティは高く、乗り心地がマイルドなところがクオリティを高めている。 |
乗り味はマイルドで扱いやすさに好感 |
XC70は、ベースモデルが2.5T。エンジンはライトプレッシャーターボ209馬力を搭載する。それだけに力感十分。フル加速すれば、パワフル感が味わえる。トルク特性は、もちろんある回転域からピーキーに高まるというタイプではなく、ワイドレンジで厚みのあるトルクを発生するというドライバビリティ重視派。5速ATのギヤリングは、V70と同じくハイギヤードだが、いかなる条件下でも加速レスポンスに不足を感じることはまずないはずだ。
シーケンシャルMTシフトの操作性はよいし、新採用したAWDシステムのプレチャージ式電子制御方式は低ミュー路で真価を発揮。停止状態でも、あらかじめ80N・mのトルクが後輪に配分されているだけに、発進時などのレスポンスが向上している。
2モードFOURーCアクティブシャシーは、コンフォートとスポーツモードの性格がはっきりと分けられている。前者は快適なるもハンドリングが大きく変わることもなければ、後者ではとくにゴツゴツ感も気にならず、快適感がそこなわれない。100分の1秒以下で特性制御されるという自慢の電子制御連続可変ダンパーだけのことはある。
クロスオーバーSUVとして、世界でも注目の1台がXC90。見るからに重量感があるが、走行フィールは軽快感さえ味わえる。とくに腰高感もなければ硬派にあらず。マイルドな乗り味と操作性が特徴的。いきなり乗っても、何の違和感もないのがよい。 |
文●横越光廣 写真●犬塚直樹 |
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●海辺は、オーシャンレース・リミテッドに最高のロケーションだ。3車ともに、オーシャンブルーパールのカラーがじつに美しい。陽射しによって、宝石のようなキラめきを見せる。最先端テクノロジーを結集して作られたレース用のヨットと並べたら、さぞかし迫力ある絵となりそう。 |
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●最低地上高215mmのXC70は、SUVとして魅力ある走行性を備える。専用同色ドアミラーキャップ、ガラス・サンルーフに特別デザインのホイールなど126万円相当が43万円で。どのアングルから見てもダイナミックなスタイルには引きつけられる。 |
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●運転席パワーシートは、フィット感がある。専用ブルートーンアルミパネルからは、オーシャンを連想。 |
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●ワゴンとしての機能と工夫はさすが。フラットな床面と広い開口部、シートアレンジなど使い勝手良好。 |
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ボルボが冠スポンサーとなる「ボルボ・オーシャンレース」は、海のF1ともいえるハイテクヨット7艇による世界を巡る超過酷なレースだ。今年11月にスペイン・ヴィーゴをスタートし、9つのレグをおよそ8カ月間、3万1000マイルにわたって争われる。荒波のなかを突き進むシーンは超スリリングだ。 |
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