ボルボは近年、「Rデザイン」なるホットグレードを用意している。もっともハイパフォーマンスなエンジンに、走りを予感させるアグレッシブな装いを加えたものだ。そして、新世代ボルボのファーストモデルとなるXC60にもそれが追加された。見た目は写真のようにスタンダードボディをより勢いづけたもの。具体的にはバンパーに代表される専用デザインのパーツとこれまた専用チューニングの足を持つ。なんとホイールは標準で20インチという大きさだ。
エンジンはというと、そこには3L直6ターボが納まる。最高出力は304馬力だから、自然吸気エンジンでいえば4L弱クラスといったところだろうか。トランスミッションは6速ATで、それを4つのタイヤで駆動する。
装備の目玉はシティ・セーフティ。すでに自動車雑誌では何度か紹介されているが、追突事故の防止とダメージ軽減を実現する画期的なシステムである。具体的にはレーザーが追突の危険性を感知すると自動でブレーキをかけ、時速15km未満なら追突回避を、それ以上の30km以下なら衝撃の軽減を行う。
この装置は過去に何度かテストしてみたが、そのたびに感心してしまうほど。ボルボを起点に早く他メーカーにも普及してもらいたい技術だ。
では、T6 AWD Rデザインの走りはというと、これが思いのほかスポーティ。ステアリング操作に対しボディは素早く反応し、じつにキビキビしたフットワークを見せる。ステアリングの軽さはオンボードでセッティングできるが、それにしても俊敏さは感じられる。なので、乗り心地は少々硬め。ボルボらしさを求めるとかなりアグレッシブに感じることだろう。が、それでも段差のこなしにはしなやかさもある。この辺の躾はさすが。Rデザインならではのかなり煮詰めたセッティングが味わえる。
|