欧州ブランドを中心に、ますます盛り上がっているのがクロスオーバーSUVのジャンル。人気のボルボV40シリーズにも「クロスカントリー」が存在する。だが、既存のモデルは2L直5ターボの心臓に4駆を組み合わせた「T5 AWD」と、パフォーマンス指向の色合いが強かった。
そこで、心臓が異なる「T4 ノルディック」を、200台限定で導入したというわけ。価格はほぼ横並びだが、HDDナビと助手席パワーシートを加えて、バリュー度を高めた点に注目したい。エコもウリの項目で、「T5 AWD」の12.4km/Lに対して16.2km/Lと、JC08モード燃費値で大きな差をつける。なら、気になる走りの変化は?
たしかに213馬力/30.6kgmの高性能を誇る「T5AWD」ほどの刺激的な速さや、賢い電制AWDがもたらす高度な走破性は持ち合わせてはいない。でも、「T4 ノルディック」には独自の魅力がある。その一例は、140kg軽い車重が生む軽快感ある動きで、日常の場面でもキビキビしたハンドリングを楽しませてくれる。加えて、1.6L直噴ターボ+パワーシフトのコンビの実力は、すでにベースのV40で実証済み。高速や峠道のスポーティ走行までをカバーする高い能力を備える。
また、足を高速寄りのハードめに仕立てた「T5AWD」は、低速域でタイヤがドタバタする印象があるが、素直に足が上下動する「T4 ノルディック」は、同じ17インチタイヤを履いていても日常の領域でより快適な乗り心地を提供してくれる。さりげなくクロスオーバーSUVという人に、ジャストな性格を与えたのが「T4 ノルディック」というわけだ。そしてフツーのV40に対しては…存在感を高めたルックスだけでなく、30mm高い目線が生む開放感や、10mm拡大した地上高がもたらす機動性でも差をつけることができる。
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