現行のC70は、流行の格納式ハードトップを採用することでクーペとカブリオレを統合。商品力を大幅に高めることに成功した。とはいえルックスに関しては、ラグジュアリークラスのオープントップモデルとしてはやや押し出し感に欠けていたことも事実。2010年モデルでは、そこに明確な改善の手が入っている。
フロントの基本造形はC30と同一線上にあるが、C70はグッとラグジュアリー感を際立たせた演出。リヤのコンビランプやバンパーを一新し、インパネもリニューアルしたことで、全体に高級パーソナルカーらしさを高めることに成功している。これに伴い、日本仕様は車種構成も見直した。
従来型は2.4L自然吸気の2.4i SEと2.5LターボのT5 TEの2本立てだったが、新型はT5 GTのみの設定になった。そのうえで、アウディA5カブリオレやBMW335iカブリオレよりグッと手頃な500万円台半ばの価格設定としたのは見逃せないところといえる。
で、もうひとつの注目はタイヤチョイス。従来型は2.4iが17インチ、T5が18インチだったが、新しいT5は17が標準、18がオプションの設定に変わった。ちなみに、今回試乗したのは18インチを標準で履くラグジュアリーパッケージ。だが、それでも従来型と比べると乗り心地はゴツつきが抑えられ、荒さが取れた印象。とくにアナウンスはされていないが、シャシーチューンがしっかり熟成されたことが予想される。
17インチの快適度はそれ以上だろうが、18インチのまとまりはよく、230馬力をフルに生かせる高い操安性と、質の高い乗り心地を両立させていることは確か。プレミアムパッケージには40万円の価格差以上の魅力ある装備がそろっているから、やはりこちらがC70の本命だろう
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