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VOLVO C30 |
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■発表 2007・6 |
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ボルボ異色のニューモデル
プレミアムクーペが日本上陸 |
ボルボがコンパクト・プレミアムクラスに新たに送り込んだニューモデルは
ガラスハッチを持つスタイリッシュなデザインの4シーター・クーペ
ファッショナブルで斬新なC30、しかしその走りはまぎれもなくボルボだった |
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北欧生まれのプレミアムコンパクトクーペ、ボルボC30上陸のニュースを聞いて、なにより驚いたのは価格だ。
日本仕様は2.4iアクティブ(Aktivとスウェーデン語表記になる)、2.4iSE、Tー5の3タイプで、アクティブの価格は285万円と300万円を切る。しかもエンジンは上級のV50やC70と同じ直列5気筒で、アクティブとSEは2.4L自然吸気、Tー5は2.5Lターボ。排気量を考えればさらに割安感が強まる。
なのにデザインは写真で見てわかるとおりスタイリッシュ。とくに後ろ姿は、キャビンの絞り、張り出したショルダー、L字のコンビランプ、ガラスハッチと、オリジナリティであふれている。しかもロングルーフにガラスハッチのクーペは、ボルボが70年代から使い続けてきたパッケージ。伝統を継承した造形でもあるのだ。
キャビンは4シーター。クーペといってもハッチバックに近いシルエットなので、リヤにも大人がラクに乗れる。ガラスハッチはかなり下まで開くので、アクセスは予想以上にしやすく、中もクーペとしては広い。トノカバーも用意されているらしいが、スタイリッシュなバッグを見せながら走るのが粋じゃないかなと思った。
今回乗ったのはTー5とアクティブ。アクティブは左側のスペースで紹介しているので、ここではTー5にしぼって書いていくと、まず加速は十分以上。フォルクスワーゲン・ゴルフと変わらぬ重さの車体に、230馬力/32.6kgmの2.5Lターボを積んでいるのだから当然だ。2000回転あたりでおだやかにターボが立ち上がったあとは、かなり豪快なダッシュが体感できる。
でも5速ATのレスポンスがボルボらしくおだやかなためもあって、その力をフルに使ってガンガン飛ばそうとは思わない。過給エンジンならではのフレキシブルな特性を生かし、ゆとりのクルージングを味わいたくなるのだ。
試乗したTー5はスポーツサスペンションを組み込み、標準の16インチに代えて17インチホイール/タイヤを履いていた。そのためもあって乗り心地はやや固めだが、ダイレクトなショックはなし。ハッチバックとしては開口部が小さ目という利点もあって、ボディの剛性感はまったく問題ない。
となるとハンドリングに興味がいくところ。重めのパワーステアリングを切ると、たしかに身のこなしは他のボルボより俊敏だが、ホットハッチのようなキビキビした動きではない。そしてコーナーでは、フロントに2.5L 5気筒エンジンを積んでいるという事実が、前の重さとして伝わってくる。もっとも逆に、リヤのグリップは安定しているから、ボルボらしい安全性重視のキャラクターということができそうだ。
むしろこのクルマが光るのは、街中や高速をゆったり流すシーン。すべてのメカがおだやかなリズムで統一されているので、リラックスしてドライブできる。渋滞にハマろうが前に割り込まれようが全然イラつかない。その点で、まぎれもないボルボなのだった。
このサイズのハッチバッククーペというと、どうしてもスポーティな走りを期待してしまう。でも考えてみれば、そういうクルマはゴマンとある。逆に、ここまでゆったりした気分でクルーズできるモデルは少ない。ボルボらしからぬファッションとボルボらしいドライビングの融合が、リラックスできるコンパクトという独自のキャラクターを生み出したのだ。 |
文●森口将之 写真●犬塚直樹 |
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●シート素材はアクティブがファブリック、SEがレザーで、T-5はT-Tecと呼ばれる新素材が標準だがオプションでレザーも選べる。フロントシートはヒップポイントが低めで、座り心地はタイトと、他のボルボとはちょっと違う。リヤは身長170cmの人なら楽に過ごせる広さ。中央寄りに座るので前がよく見えるのもいい。 |
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●インパネはV50やC70と基本的に共通だが、ルーフとシートが低くなるので眺めは微妙に異なる。しかもインテリアカラーは3グレード合わせて15種類も用意。写真のT-5やSEではカーペットだけレッドにした仕様もあり、アクティブでは明るいブルーやレッドのシートが選べるなど、これまでのボルボにないカラフルなインテリアが自慢だ。 |
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●フリーフローティング・センタースタックはT-5がアルミ、SEがライトオークウッド、アクティブがグレーの樹脂仕上げになる。 |
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●T-5が2.5Lターボ、SEとアクティブが2.4L自然吸気となる直列5気筒は、V50やC70などでおなじみのエンジンだ。 |
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■パッションレッド ■アイスホワイト ■シルバーメタリック
■ブラックサファイヤメタリック ■ブリリアントブルーパール ■コスミックホワイトパール |
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走りの性能はそのままに
リーズナブルな価格が魅力
ベーシックグレードの2.4iアクティブは、なんといっても300万円を大きく切る価格が魅力。明るいブルーやレッドも選べるカジュアルなインテリアも、上級グレードとは違う魅力がある。ベーシックと言いつつも、2Lクラスのボディに2.5L直列5気筒エンジンと5速ATだから、走りは余裕たっぷり。その一方でボルボらしいまろやかさも感じられる。 |
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ボルボならではの安全装備が充実
コンパクトボディでも安心のドライビング
ボルボだからもちろん安全対策はバッチリ。特許を取得したフロントの衝撃吸収構造、側面衝撃吸収システムSIPS、むち打ち対策シートWHIPS、IC(インフレータブルカーテン)と呼ばれるカーテンエアバッグなど、車体はコンパクトでも装備はパーフェクト。さらにC30の場合、スタイリングやインテリアなど、セーフティに負けずに魅力的な部分がたくさんある。その点もいままでのボルボとちょっと違うポイントだ。 |
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