08年に上陸して以来、輸入SUV市場で快走するティグアン。これまではトラック&フィールドのみの設定だったが、09年春からよりオンロード寄りのスポーツ&スタイルが仲間に加わった。違いは、グッとスポーティになったフロントスタイルや、シルバーのルーフレールだけでなく、走りを司る部分にも独自のチューニングが施される。
まずはエンジン。トラック&フィールドはマイルドな過給特性の170馬力仕様を積むが、スポーツ&スタイル用2LTSIエンジンのパワーは、ゴルフXのGTIと共通の200馬力だ。2000回転を越えたところから盛り上がるトルクの力強さや、高回転域の伸び、パワー感が170馬力仕様に明確な差をつけるところで、ついつい右足に力を込めて爽快な加速を楽しみたくなる性格を備えている。
そして、スポーティな心臓の搭載にあわせて、シャシーが締め上げられたのも見逃せない。16インチ65から17インチ55に変更されたタイヤがポイントで、ステアリングを切ったときの手ごたえ感はトラック&フィールドよりもダイレクトに変身し、反応もシャープかつ正確なものに変わっている。当然のように、旋回の限界点も明確に向上。スポーツ&スタイルは、SUVとは思えないほどのスポーティな身のこなしを身上とする。
「もう少しシャキッとしたティグアンに乗りたい」と思っていたファンには、まさにうってつけなのがスポーツ&スタイルだ。でも、乗り心地のしなやかさや、低速域のフレキシビリティに代表される日常の快適性に関しては、より優れた特性を備えているのは170馬力+16インチのコンビのほう。それも知っておきたい。いずれにしても、個性の違う2タイプがそろったことで、好みや用途に合わせたティグアンが選べるようになったのはうれしいこと。注目度がさらに高まるはずだ。
|