先代で投入されるやいなや、すぐに人気に火がついたのがクロスオーバー仕立てのクロスポロ。その新型が早くも登場した。アレンジ手法は先代と共通で、ホイールハウスエクステンション(全幅+25mm)、サイドスカート、ルーフレールを追加し、バンパーも専用化することで個性的なツートーンカラーの構成として、若々しくアクティブなルックスを演出している。先代と比べて、洗練度とスポーティさがより高まったのが印象的だ。
では、走りの変化は?1.6L+6速ATから1.2L TSI+7速DSGに心臓が一新されたことで、走りは明らかに力強くなった。とくにものをいうのは1500〜4100回転の広範囲で発生する17.8kgm(先代の18%増)のトルクで、0→100km/h加速タイムは12.4秒から9.9秒に向上。日常の走りの場面でのゆとりや快適性も大幅に改善された。と同時に、10・15モード燃費18.6km/Lの好燃費(エコカー減税に対応)も達成したのだから、TSI+DSGの威力はまざまざだ。
そしてシャシー性能。地上高を15mm稼いだ専用サスと215/40R17タイヤのマッチングはどうだろうか?先代の足は素直にストロークし、軽快なハンドリングと、17インチを履くにしては快適な乗り心地を両立させていた。だが、新型の足は少しだけだがつっぱり感が残る。また、電動油圧式パワステもベース車と比べてフィールが不足する感じで、ややアンバランスな印象があった。
ハンドリングの軽快感は先代以上だが、挙動の一体感や乗り心地のしっとり感に関してはまだ詰める余地がありそうだ。とはいえ、違和感を覚えたのは、ベースの新型ポロの完成度が無類に高いためでもある。気分を高揚させる内外装や、スポーティな走り味など、クロスポロには独自の魅力が備わるだけに、新型も人気を博すに違いない。
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