メルセデスCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4など競合ひしめく欧州Dセグメントのなかでは、隠れた実力派といえるのが、今回あらためて試乗したパサートセダンだ。
最上位グレードとなるV6・4モーションは、新たにパドルシフト、マルチファンクションステアリングホイール、アダプティブシャシーコントロール“DCC”、RNS510(純正HDDナビ/ETC車載器、地デジTVチューナー標準)、MEDIA-IN(iポッドおよびUSBデバイス接続装置)、オプティカルパーキングシステム(警告音に加えてRNS510のディスプレイに画像として表示)など、装備を大幅にグレードアップしている。
優れた燃費と環境性能を両立した直噴3.2L V6FSIエンジン、マニュアルの楽しさとATの快適さをあわせ持った6速DSG、さらに道を選ばないフルタイム4WDシステムを搭載した内容をトータルで見ると、そのコストパフォーマンスの高さに、思わず脱帽してしまう。
撮影日は、午前中かなりの雨。にもかかわらず、V6・4モーションは類いまれなパフォーマンスを発揮してくれた。全体に重厚感のある走りだが、速度を増すごとに安定感が増していく。このフィールはフルタイム4WDならでは。また、このクラスのライバルのなかでは、室内が広いことも見逃せない。全席どこに座っても快適に長時間過ごせるクルマは、じつはけっこう少なかったりするのだ。これは実際のスペースに加えて、ウインドウグラフィックの仕立てなど視覚的な要素も含まれる。
ゴルフがクローズアップされることの多いフォルクスワーゲンだが、パサートはその兄貴分としてもじっくりと造り込まれていることを再確認できた。とくに居住性を重視するユーザーには、ぜひにとお薦めしたい。
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