トレンドラインという新しい名称は、従来のベーシックモデル、ゴルフEに代わるものとして登場した。すでにハッチバックはデビュー済みで、ヴァリアントの名を持つワゴンが追加された形である。じつはこのベーシックモデルのワゴンはゴルフW時代以来のもの。ゴルフXとなってはカタログ落ちしていたものが復活したというわけだ。
エンジンとトランスミッションはハッチバックと同じ、小型のターボチャージャーを装備した1.4L直噴エンジンと最新の乾式7速DSGの組み合わせ。本国ですでにデビューしたゴルフYからオートマチックが消え、DSGとマニュアルのみになったことを考えると、世界的にもオートマチックがこのジャンルのモデルから消える可能性を示唆している。ではDSGとは一体何か。簡単にいえばマニュアルトランスミッションを電子制御して煩わしいクラッチ操作を自動的に行うトランスミッションで、マニュアル並みの燃費と簡単な構造持つ。DSGのすごいところは、クラッチがふたつ装備される点。これによって圧倒的に素早いクラッチワークを可能にし、その速さはレーシングドライバー以上とも言えるから、端的に言って一般ドライバーがレーシングドライバー並みのシフトワークを可能にするものだ。だから走りは至って気持ちいい。
122馬力だが、最大トルク20.4s mはNAの2L並みだから、従来の1.6Lに比べてそれがどれだけゆとりのある走りを示すかは、想像してもらえばわかると思う。しかも最大トルクは1500rpmから4000rpmまで持続されて完全に常用域を最大トルクでカバーしているのである。これなら荷物を満載してもへこたれることはない。上級モデルに比べマニュアルエアコン、ウレタン巻きのステアリングホイールがチープさを感じさせるが、コンフォートラインより40万安の259万円なら納得できる価格だ。
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