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VOLKSWAGEN Golf Touran |
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■発表 2007・3 |
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話題のTSIエンジンを搭載して
その魅力をより一層引き上げたトゥーラン |
フェイスリフトとともに、パワートレーンを一新させて登場した新型トゥーランは
世界初の直噴+ターボ&スーパーチャージャーのツインチャージャーエンジンと
DSGの組み合わせによって、クラストップレベルの走行性能を手に入れた |
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本国ドイツでも、日本の輸入ミニバン市場でも、ナンバー1のシェアを獲得しているトゥーラン。そんなゴルフファミリーの人気者がフェイスリフト。ワッペングリルを新採用するなど、上級イメージをグッと強化して登場した。
しかし、見た目以上に進化しているのは中身だ。なんとパワートレーンを一新してきた。従来型の心臓は直噴ガソリンのFSIで、Eが1.6L、GLiが2Lの設定。それに、6速ATを組み合わせていたが、新型はゴルフGT・TSIで話題の1.4Lツインチャージャーエンジンと、6速オートメイテッドMTのDSGを搭載する。
そこでの注目は、ゴルフと同じ170馬力/24.5kgm仕様に加えて、過給圧設定や可変バルタイのチューニングを変更した140馬力/22.4kgm仕様が用意されていること。140馬力のトレンドラインは、リヤの「TSIエンブレム」の“I”のみが赤文字、170馬力のハイラインは“SとI”が赤文字という違いがある。
乗り比べてわかったのは、赤文字の数は血中スポーツ濃度の違いを示すということ。170馬力仕様は2000回転を超えたところからの吹け上がりのシャープさと、パワーの伸びが印象的で、レッドゾーンの7000回転を楽に極める。ターボの威力が実感できるスポーティな性格の持ち主だ。
そんなパワフルな心臓は、トゥーランをスポーティミニバンのように変身させている。アクセルを深めに踏み込むと、DSGは回転を引っ張り気味にして変速していき、このエンジンの美味しいところを引き出してくれる。得られる性能は、ゴルフより約200kgも重い車重や、(燃費を考えてのことか)最終減速比まで同じに設定されたギヤリングが信じられないほど。NA2Lの旧GLiを確実に上まわる速さを獲得している。
なら、140馬力仕様は? 6500回転に設定されたレッドゾーンからもわかるように、血中スポーツ濃度は高くはない。しかし、こちらの心臓は、ミニバンが普段使うゾーンにより濃厚な美味しさを詰め込んでいる。そう、実用トルクの面から見れば140馬力仕様が上を行く。170馬力仕様は2000回転以下で反応が鈍いのに対し、140馬力仕様はわずか1200〜1300回転からでもアクセル操作に応答してくれる。
大排気量NAのように素直に、リニアにトルクが出るから、DSGが早め早めのシフトアップをする場面でも加速のつながりがじつにスムーズなのが○。上り坂などの変速で若干のもたつき(ギヤのつながりの悪さ)を示すことがある170馬力仕様と比べると、洗練度と相性のよさはひとつ上だ。
ということで、本来がファミリーミニバンのトゥーランに最適なのは140馬力のTSI。その魅力は、日常の場面で2.4Lクラスに勝るとも劣らないゆとりや力強い加速が味わえることだ。それを考えると、先代Eの1万円安という設定は太鼓判のお値打ち感! でも、スポーティな走りと充実装備を持つ170馬力仕様も魅力的。スポーティ志向の人は、パドルも、HIDランプも標準のハイラインに大いに惹かれることだろう。
なお、心臓一新でも操安性、乗り心地は高バランスをキープ。正確な反応と自然な手ごたえを示すステアリング、ストローク感のいいサス、それを支える強いボディが光る点でクラストップレベルの走りと快適性を提供する。VWの先進性を象徴するTSI+DSGを積み、トゥーランは完成度と魅力をより高めることに成功した。 |
文●森野恭行 写真●犬塚直樹 |
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●ルーフレールにフィットするキャリヤ&アタッチメントや、オーバーヘッドコンソール後部に装着する後席用モニターをオプションで用意。電動スライディングルーフ、マルチメディアステーションも人気のオプションアイテム。 |
●全長約4.4mと扱いやすいサイズ設定のトゥーランだが、キャビンは2+3+2の7人乗り。3列目に大人が座る場合、乗車姿勢はさすがに楽チンとまではいえないが、ミニバンに求められる多人数乗車の要件は満たしている。2列目は3席独立でスライド&リクライニングがOKだ。なお、ハイラインは高いホールド性を備える前席スポーツシートを標準装備。 |
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●センターパネルをブラックからメタル調、ステアリングを4本から3本スポークに変更し、上質感やスポーティ感を高めた。ハイラインは2ゾーンオートエアコンやパドルシフト付きレザーステアリングを標準化するなど、充実装備が自慢。 |
●フル乗車時の荷室容量は121Lと小さいが、3列目は簡単操作で格納が可能。並みのワゴンを一蹴する大きな荷室を即座に確保することができる。さらに2列目は、シートバックを倒してのはね上げ操作だけでなく、脱着にも対応。最大で1913L(2人乗車時)の広く、フラットな荷室を生み出すことが可能だ。前席背面にはシートバックテーブルも装備。 |
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□キャンディーホワイト ■レッドスパイスメタリック ■シャドーブルーメタリック
■プラチナムグレーメタリック ■ディープブラックパールエフェクト ■リフレックスシルバーメタリック |
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VWの次世代ガソリンエンジンの主役
TSIは全域高性能&高効率が魅力!
低回転から過給効果を発揮するスーパーチャージャー(SC)と中高回転の過給を得意とするターボ。2つの過給機を搭載した前例はあるが、そこに直噴ガソリンの技術を組み合わせたのはVWが世界初。2000回転ほどまでは主にSCの守備範囲で、3500回転から上はターボが単独で仕事をする領域だ。その中間領域を含め、下から上までまんべんなく過給のうま味を引き出すのがTSIなのだ。 |
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