 |
VOLKSWAGEN GolfPlus |
|
|
■発表 2005・10 |
 |
ユーティリティ性を大きく高めた
ゴルフ・プラスは走りも上々 |
全高を高めたゴルフ・プラスは思った以上の秀作
ユーティリティが高まっているのはもちろん
走りの質感、好フィールにも拍手 |
|
ラインアップは
1.6LEと2LGLi |
ゴルフ・プラスは、全高を85mm高めたトールサイズのボディにより、新たなキャラクター性を息づかせる。ゴルフともトゥーランとも違う、走りもユーティリティも魅力十分なFF4ドアハッチバックだ。ラインアップは、1.6Lの「E」と2Lの「GLi」。いずれも右ハンドルでティプトロニック6速ATを備える。
全高が高くなって、ユーティリティ重視。中途半端で走りには期待がかけられないと、試乗前は予想していた。が、いざGLiのステアリングを握ってカルチャーショック。ゴルフに勝るとも劣らない走りっぷりを見せるのだ。2Lの150馬力エンジンは、トルクフルでじつに扱いやすく、軽快スムーズ。それもアップダウンの続く箱根の山道でというから価値がある。Dレンジホールドで走りながら、加速性に不足なし。変速ショックが気にならず、スムーズ感が保たれるのは、フレキシブルなエンジンと6速ATのマッチングのよさの表われでもある。
フル加速時には、レッドゾーンが始まる6500回転まで引っ張れ、十分にスポーティ感が楽しめる。Dレンジホールドでも十分だが、シーケンシャルMTモードを駆使すれば、なお楽しい。これで2Lとはとても思えない実力のほどに意外性さえ覚えた。
山道を少しも苦にせず、余裕をもってスムーズ感を保つこと、これは評価されるべき。しかもそれは、実力の一端でしかない。よりアベレージの速いフィールドとなれば、さらに実力を発揮。スピードが乗れば乗るほど、加速は軽やかになる。ちなみに、100km/hは6速2500、5速3000、4速4000、3速5400回転とハイギヤリング。エンジン音は耳に軽やかで、余裕十分。アクセルレスポンスも鋭く自然に、アクセル操作に応じてスムーズにスピードを高めていく。2Lとは思えない実力に、感嘆しきりだった。 |
質感と一体感のある
走り味に注目したい |
2LのGLiに対し、1.6LEの加速性はさすがに見劣る。といっても、まったく走らないというわけではない。山道で走ると、トルク感が不足しがちでアクセルをさらに踏み込む。と、不用意なキックダウンがスムーズ感を欠いたり、ノイズが高まったりで、プレミアム感がそこなわれるのだ。これが市街地や郊外路であれば、印象は一変するはず。タウンユースにはこれで十分。Eならではの持ち味が生きるだろうし、女性には喜ばれることうけあいだ。
2LのGLiに乗って、ことさら印象に残ったのは、ハンドリングが優れていたこと。全高が高いことなどをまったく意識させない、好バランスのスムーズかつハイクオリティな走りっぷりが際立っていたから。
2.9回転のパワステは、ほどよい重さを保ち、手ごたえ確か。ストローク十分なサスペンションとのマッチングは申し分なく、終始一体感のあるハンドリングをもたらしてくれる。しかも、4輪はがっちりと路面をホールド。いたって安定したフォームを保ち、じつに運転がしやすいのだ。腰高感など感じることもなく、スムーズかつ重厚なクオリティ感を覚える乗り味をもたらすこと、そこに価値を見い出したしだい。
これが、重量の軽い1.6LのEとなるとまた印象が変わる。むしろ好バランスで軽快といっていいはずなのに、乗り味のフィールはエコノミーレベルにとどまった。 |
文●横越光廣 写真●犬塚直樹 |
 |
●ゴルフに対し、全高が85mm高いトールサイズながら、少しも不自然でなくエモーショナルなイメージを感じさせるのがプラス。どのアングルから見ても違和感なく、スタイリッシュに感じるのだからおもしろい。いったいゴルフ系のオリジナル・デザインはどこにあるのかと思わせるほどの仕上がりだ。 |
 |
 |
 |
●ディメンションがプラスがどんなクルマかを物語る。全長×全幅×全高は4205×1760×1605mmと、全高がゴルフより85mm高い。ドア、ボンネット、ルーフなどは新設計となるところに、ただの派生モデルでないことを知らされる。 |
 |
●後席スペースは、全高が高まっただけに広々。180cm前後の長身者が前後に座っても、圧迫感を感じさせない。 |
 |
●運転席はしっかりした造りのリフターが有効で、万全のポジションが得られる。ホールド性、上質感に不足なし。 |
 |
 |
●オーバーヘッドコンソールを始め、要所にポケット類が配され、使い勝手のよさをアップしている。 |
 |
●ゴルフ・プラスのダッシュボードは専用デザイン。SUVやミニバン、コンパクトカーが融合したようなイメージのもとで設計されたが、結果は上々、まったく違和感を覚えない。テレスコ&チルト機能付きステアリングなど、操作性もよい。 |
 |
 |
●後席はスライディング機能や分割可倒によって、アレンジが多彩。ラゲッジルームは、フラット・フロアと広い開口部などにより、使い勝手万全。容量は標準時で395L、最大で1450Lと断然のスペースを確保している。 |
 |
●GLiに搭載される最新の2LFSI(直噴)エンジンは、4バルブDOHCで連続可変式のバルブタイミングを採用する。アルミ合金製のエンジンブロックやノイズを抑えるタイミングチェーンなど、高性能なばかりか上質感をねらった設計。 |
|
□キャンディホワイト ■トルネードレッド ■シャドーブルーメタリック ■ブラックマジックパールエフェクト
■ニューリバーブルーメタリック ■リフレックスシルバーメタリック ■サンセットレッドメタリック |
|
 |
ゴルフよりも全高で85mmアップしたトールサイズのゴルフ・プラスは、一段とゆとりのある室内スペースを確保した。ヘッドクリアランスが広がったことはいうまでもなく、ゴルフに比べ、フロントで75mm、リヤで85mm高められたシートポジションにより、視界は良好。それでいて、腰高感を覚えない。レッグルームはゴルフに対し120mm拡大された。 |
|
|
|
|
 |
 |
この車の情報 |
|
 |
バックナンバー |
|
|