エンジン・オブ・ザ・イヤーに輝く1.4L TSIの大成功により、直噴ガソリン+過給機のTSIテクノロジーによるダウンサイジング化を本流にしたVW。だが、それであんどせずに、次のステップとしてより挑戦的な1.2L版をゴルフに投入してきた。新着のTSIトレンドラインがそれだ。
ウリはなんと言っても、ゴルフ史上最高という17.0km/Lの10・15モード燃費値と、エコカー減税(75%)対象車のお墨付きが示す高度な経済性と環境性能。だが、1.2Lまで縮小が進むと、さすがに「走りは大丈夫!?」と心配になるのもまた事実だ。で、性能を見ると、パワーはゴルフV時代のE(自然吸気1.6L)より低い105馬力だが、17.8kgmのトルク値は1.8L並み。しかも1550〜4100回転の広範囲で発生するフレキシブルな特性を実現しているのだから、期待は自然と高まる。
なら、気になる実力は?1.2L TSIと7速DSGのコンビネーションは抜群で、発進から加速は十分に力強く、スピードの乗りもなかなかのもの。ギヤ比は1.4L TSIと共通だが、シフトアップを急がずに2000回転台を有効に使うのが、キビキビと気持ちのいい走りの秘密といえる。
そして右足に力を込めれば、高速道路でも追い越し車線をリードする速度に達し、高速クルーズでも満足のいく静粛性とスムーズさを提供してくれるのだから驚き!1.2Lの排気量が信じられない走りは、最新の直噴ターボ技術が成せる技だ。
しかも、TSIトレンドラインの魅力はそこに止まらない。1.4Lのコンフォートラインと比べて、より軽快なフットワークやさらにしなやかな乗り心地が光るところで、軽いSOHCエンジンや15インチタイヤの採用がいい味を生み出す要点になっている。ベーシックカーとしてのバランスの高さは文句なしで、「さすがゴルフ!」の印象だ。
|