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VOLKSWAGEN GOLF |
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■発表 2004・06 |
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すべてにおいてグレードアップ ウワサのゴルフがやってきた |
ヨーロッパで大好評の5代目ゴルフはさすがに完成度が高かった室内細部はもとより、走ればプレミアム感がきっちりと体感できる世界的なベンチマークとして、これからもその名を響かせそうだ |
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ラインアップは1.6と2.0LそれぞれにFSIを搭載 |
世界のビッグネームたるVWゴルフの歴史は、1974年から始まる。以来、FFファミリーカーの代表格として進化・発展、生産累計はなんと2300万台を数える。
すでにヨーロッパでは好評を博している新型の第5世代は、なるほど全面グレードアップで、クオリティの高さが際立つ。コンセプトの「ダイナミックな走り、プレミアムクオリティ、エモーショナルデザイン」が、存分に生かされているといえよう。
日本に導入されるのは、1.6LのE、2.0LのGLi、GT、GTレザーパッケージの4グレード。どちらのエンジンもFSI(直噴)となり、すべてアイシン製の6速ATを備え、右ハンドルが中心だ。最上級のレザーパッケージにだけ、左ハンドルも用意される。
ダイナミックな走りとプレミアムクオリティは、静的ねじれ剛性が80%向上した高剛性ボディと、新開発の4リンクリヤサスペンションに支えられる。とくにロードホールディングと、マイルドな乗り心地とのバランスは絶妙。油圧式から完全にメカニカルになった電動パワステは、軽めだが違和感なし。ロック・ツー・ロックは3回転で、適度にクイックで素直なハンドリングを見せる。最初に乗った1.6Eでもっとも感心させられたのが、フットワークのよさだった。
ファミリーカーとしては絶好という安定志向で、ワインディングロードをハードに走っても不安感なし。加減速時のリフト・ダイブ、コーナリング時のロールも気にならず、安定姿勢が保たれる。オーバースピード気味にコーナーに進入しても、破たんなし。大きな姿勢の乱れもなく、それこそ事もなげにコーナーをクリアしていった。これには、ESP(エレクトロニック・スタビリゼーション・プログラム)やEBD付きABSのカバーがあったことはいうまでもない。いずれにしても、そのコントロール性のよさ、乗り心地にゴツゴツ感のないしなやかさには感じ入った次第だ。 |
バランスを求めるならE スポーティさならGT |
GTには専用スポーツサスが装備され、車高は20mmダウン。タイヤもEの195/65R15に対し205/55R16インチへサイズアップ。それだけに、コーナリング限界は高まり、スポーツフィールが楽しめる。パワステもEよりはステアリングフィールが重めだが、それでも標準よりは軽めで、クイック感も味わえる。
ただ、ツイスティな山道をハードに走ると、姿勢変化が意外に大きく、より確実な操作が求められる。アベレージスピードが高いせいもあるのだろうが、バランスという点ではEに分があるようだ。サスやタイヤは変わっても、GTの乗り心地のよさ、快適感はまさにプレミアム。
加速性は、キビキビとまではいかなくても、最高116馬力のEでも必要十分。Dレンジフル加速では、6500回転レッド近くまで引っ張れるし、ティプトロニック付き6速ATとのマッチングは上々で、加速フィールは軽快・スムーズ。前がアップ、後ろがダウンとなるシーケンシャルMT操作ではなおさらだし、最高150馬力のGTではこれに力強さが加わる。FSIエンジンは、高回転までスムーズなだけに、MT操作時にはスポーツ性が生かされるというもの。GTでの走りでは、ダイナミック感が味わえる。
もうひとつさすがと思わせるのは、高速クルージングでの余裕。Eでさえ100km/hは6速2400、5速3000、4速4000、3速5800回転相当で、余裕十分。ノイズも耳につかず、加速レスポンスにシャープさもある。
GTとなると、ファイナルギヤが高い分エンジン回転はそれぞれ200回転ほど低くなる。ちなみに100km/hは6速が約2200回転という具合。その分、さらに余裕というわけだ。
6速ATは変速ショックが小さく、加速感がスムーズ。E、GTともに、クラスを超えた走りの質を身につけている。 |
(文●横越光廣 写真●菊池貴之) |
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●シルエットだけを見ると、ゴルフのエモーショナルなデザインには気づかないだろう。だが、ボンネットよりも盛り上がった力強いフェンダー、前後の絞り込みや太いCピラー、フォルム全体にボリューム感と躍動感がある。VWのエンブレムが、テールゲートのオープナーとなっている。 |
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●ボディは従来車(GLi)の全長×全幅×全高4155×1735×1455mmよりひとまわり拡大。ホイールベースが60mm延びたが最小回転半径は5.1mから5mに短縮。 |
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●レザーの電動シートは、リフト量が大きくポジションは上々。ランバーサポートが快適で、全体のタッチもよい。ショルダーラインが低いだけに視界は良好。 |
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●従来車比、ホイールベースは+60mm。その延長分を後席スペースにあてたというだけにレッグルームは広々。シートのサポート性がよく、ゆったりくつろげる。 |
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●GTレザーパッケージの室内は、一段と上級感を増す。3本スポークステアリングは、テレスコ&チルト機能付き。各スイッチ、操作類は機能的にレイアウトされている。だが何よりも注目できるのは、すべてにおいて質感高く好仕上げなことだ。 |
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●大径のタコ、スピードメーターの間には、マルチファンクションインジケーターを装着(Eを除く)。瞬間・平均燃料消費量、平均速度などの情報が表示される。 |
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●後席は6対4分割可倒式のシングルフォールディング。ラゲッジルームは、標準時で350Lだが、最大1305Lに拡大される。従来車と比べると、+20〜121L。ボディの拡大が確実に生きている。 |
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●1.6、2.0Lともに直噴(FSI)4気筒DOHCを搭載。高出力・低燃費化が図られている。2.0Lは新設計のオールアルミ製。可変吸気マニホールド、連続可変バルタイなどを装備。2000回転から最大トルクの90%以上を発生。 |
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■トルネードレッド ■レーザーブルー パールエフェクト ■コースタルブルー パールエフェクト
■ブラックマジック パールエフェクト ■ユナイテッド グレーメタリック ■リフレックス シルバーメタリック |
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高張力鋼板と延べ70mに及ぶレーザー溶接を多用したボディは、サイズアップにもかかわらず、重量を抑えつつ高剛性化。なかでも、140台もの専用ロボットを使用してのレーザー溶接は大きなポイントとなっている。接合部の長さは、従来モデルでは5mにすぎない。この結果、従来車比で動的なねじれ剛性が15%、曲げ剛性が35%も向上した。その徹底した高剛性化が、ロードホールディング、乗り心地面で効果てきめん。ねらいどおりのプレミアムクオリティを達成した。 |
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