ルノーの走りのモデルといえば、ルノー・スポール(RS)が知られた存在。その完成度は高く、トゥインゴRS、ルーテシアRSともに、高密度のドライビングプレジャーを提供してくれる。
でも、「そこまで気合いを入れなくても」と考える人もいるはず。そんな人に注目してほしいのが、トゥインゴ限定車のLIMITEE(リミテ)2だ。100馬力の1148ccターボを積む「GT」は5速MTとのコンビだが、75馬力の自然吸気1148ccを積む「QS」は2ペダルのクイックシフトを採用する。コイツなら奥さんや彼女がAT限定免許というケースでもいっしょに楽しめるわけだ。
それでいて、マットブラックの15インチアルミホイールやサイドストライプ、ドアミラー、ルーフスポイラーなどを装着した姿は、いかにも本場ヨーロッパのホットハッチらしいセンスとムードを醸し出す。カッコよさを追求しながら、日常の扱いやすさもスポイルしないドレスアップ手法は、多くのファンから賛同を得ることだろう。
エンジンに手は加えられていないが、アクセルを踏み込むたびにフジツボ製のオールステンレスマフラーが元気なサウンドを響かせるから、走りの印象はノーマルよりグッとスポーティ。1トン弱のボディに対してパワーは75馬力のため、正直速さは期待できないが、爽快感を味わうには十分なパフォーマンスを備えている。
さらに、15インチ55タイヤの装着で身のこなしの軽快感やハンドリングの正確性も強化されているから、鞭を入れれば気分はジョン・ラニョッティ(往年のルノー使い)という感じ。しなやかさとしたたかさを兼備する足の味つけはいい塩梅で、日常は下駄代わり、気分が乗ったときには走りを楽しむ、というつきあい方がピタリとはまる。ムードだけに終わらないのがリミテ2の魅力だ。
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