LEDポジションランプの採用で、精悍さを増したマスクが目を引く新型メガーヌは、車種構成も見直して登場した。プレミアムラインを廃止し、GTラインのみの構成となったが、より注目したいのはワゴンのエステートを正式にラインアップしたこと。60台限定のエステートGTを「買い損ねた」というファンには、何よりの朗報だろう。では、新登場のエステートGTラインはどんなモデルなのか?
マニアは2Lターボ+左ハン+MTの限定車を支持するかもしれないが、日本のニーズを考慮すれば……ハッチバックと同様の2L自然吸気+CVT+右ハンの組み合わせとしたのは納得がいく。
エステートは、ホイールベースを60mm、全長を240mm拡大したが、間延びした印象はなくルックスはスポーティ。洗練度アップには、新型でボディ同色化されたサイドモールも効果を発揮している。メガーヌのイメージを崩さずに、優秀な積載性と居住性を備えるワゴンに変身させた手腕が光る。
そして走り。GTラインはルノースポールが手がけた10mmローダウンの専用サスを採用し、17インチ50タイヤを履くが、乗り心地はカドが取れたもの。フィット感のいいスポーツシートとのコンビで、十分快適といえる乗り心地を提供する。もう少ししなやかならよりフランス車らしいのに……とも思うが、キレのいいフットワーク、高い高速安定性とのバランスを考えれば、このサス設定は納得できる。シャープさを欲張らず、しっかり感や落ち着きを感じさせる方向にしつけている点もエステートらしい。
140馬力のエンジンやCVTはハッチバックと共通だが、車重の違いは40kgと少ないため、動力性能は不満なし。その気になれば、峠道などでスポーティな走りも楽しめる実力の持ち主だ。せっかくGTラインを手に入れたのなら、たまには自慢のシャシーの能力を思う存分に発揮させてやりたいものだ。
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