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試乗レポート
RENAULT GRAND SCENIC
RENAULT GRAND SCENIC ルノーグランセニック
NEWCAR impression ■発表 2005・09
RENAULT GRAND SCENIC
ミニバン王国に堂々の登場
欧州の実力はいかなるものか
ミニバン文化が深く浸透している日本のマーケットに
欧州ミニバンブームの火付け役が上陸した
国産勢に劣らぬ高いポテンシャルをレポートする!
大きく進化を遂げた
欧州ミニバンの先駆
 ルノーのコンパクトミニバン、セニックの新型が日本にやってきた。名前は、フランス語で「大きい」という意味の単語(英語のグランドと同じ)を追加したグランセニックだが、モデルチェンジで大きくなったからではない。旧型が2列シートの5人乗りだけなのに対し、新型は3列シートの7人乗りを加えた2本立てで、7人乗りをグランセニックと呼ぶのだ。
 日本仕様がこちらだけになったのは、ミニバンといえば3列シートが当たり前と考えるこの国のマーケットのためだろう。2Lエンジンと4速ATを組み合わせた右ハンドルで、2.0と2.0グラスルーフがある。今回乗った2.0グラスルーフは、前半分が開閉可能なガラスの屋根を持つだけでなく、エアコンがオート、シートがハーフレザー、ホイールがアルミになるなどの違いもあり、上級グレードといってもよさそうだ。
 旧型よりシャープになったエクステリアで目を引くのは、リヤウインドウとパネルに角度をつけた、メガーヌと同じリヤデザインだ。ルノーのミニバンだとひと目でわかるし、リヤまわりを軽く見せることにも成功している。
 旧型ではメガーヌと共通だったインパネは、デジタル式センターメーターを備えた専用になり、フロアにあったATセレクターはインパネの中央、パーキングブレーキは右端に移動した。ただしこのパーキングブレーキ、ATでDかRレンジを選んでアクセルを踏むと自動的に解除し、エンジンを切ると同時に作動する仕掛けなので、手を触れる必要はない。
 フロントシートは旧型より低めで、ポジションは乗用車的になった。一段高めのセカンドシートは最後方にスライドさせれば、身長170cmの人間が座ったとき、ひざの前に20cmもの空間が残る。グラスルーフのおかげで開放感は抜群。意外だったのはサードシートで、クッションは固めだがサイズは適度にあり、フロアからの高さもあって、セカンドシートを前に出せば楽に座れた。すべての席に3点式シートベルトとヘッドレストを備えるのは、安全性を重視するルノーならではだ。
必要十分なパワー
快適さはピカイチ
 試乗した2.0グラスルーフの車両重量は1620kgと、2Lとしてはかなりヘビー級。ところが大人3人乗っても、アクセル全開になるのは上り坂や高速道路の追い越しぐらいで、平坦地では予想以上に余裕があった。ATが4速であることもあまり不満には思えない。低回転から扱いやすいトルクを生むエンジンのおかげだ。
 音は3000回転付近でこもり気味になるが、それ以外は気にならず、約2700回転の100km/hは静か。乗り心地は低速ではややゴツゴツ感があるが、60km/hあたりでそれが消えてフラットになる。直進性もルノーらしく抜群だから、ハイウェイクルージングがとにかく心地よい。
 ワインディングロードでは、しっとり粘るグリップが味方になってくれる。ロールは一気にグラッとくるタイプではないので、安心してペースを上げることができる。ブレーキも車重に対して十分以上の効きを示してくれた。こうしたシーンでのグランセニックの走りは、ミニバンであることを忘れてしまうほどだ。
 ルノーはヨーロッパにおけるミニバンのトップメーカーでもある。グランセニックの完成度の高さは、それを実感するものだった。
文●森口将之 写真●菊池貴之
Detail Check
エクステリア
RENAULT GRAND SCENIC ●写真は2.0グラスルーフ。バンパーとサイドのモールは2.0の黒からグレー、ドアハンドルはボディ色からシルバーにそれぞれ変わる。アルミホイールは2.0グラスルーフに標準装備。205/60R16のタイヤサイズは両グレード共通だ。リヤゲートは旧型と同じようにガラスハッチつき。
RENAULT GRAND SCENIC RENAULT GRAND SCENIC RENAULT GRAND SCENIC ●4495mmの全長はハッチバックより280mm長く、4505mmoのツーリングワゴンに近い。ホイールベースはハッチバックともワゴンとも異なる2735mm。
インテリア
RENAULT GRAND SCENIC ●ポジションは旧型よりシートが低く、ステアリングが寝てメガーヌに近づいた。シートはルノーとしては固めだが、300km乗り続けても疲れなかった。 RENAULT GRAND SCENIC ●セパレートタイプのリヤシートは、それぞれスライド、リクライニング、折り畳み、取り外しが可能。座り心地はフロントと同等でフロアはフラット。 RENAULT GRAND SCENIC ●サードシートもセパレート。フロアからの出し入れは赤いヒモを引くだけ。セカンドシートを前にスライドさせれば、身長170cmの人間が座れる。
コックピット
RENAULT GRAND SCENIC ●メーターをデジタル式にしてセンターに置いたのは、乗った人全員から見えるようにしたため。ATはフロアからインパネに、パーキングブレーキレバーはステアリングの右側に移った。カードキーのスロットは縦になってオーディオ横に。
ラゲッジスペース
RENAULT GRAND SCENIC ●ラゲッジスペースはサードシートを立てた状態でも200L、畳むと最大で605Lになり、セカンドシートをすべて取り外せばなんと1920Lにもなる。
エンジン
RENAULT GRAND SCENIC ●2L直列4気筒DOHCエンジンと4速ATはメガーヌと共通。フロントウインドウを前に出しているので、ボンネットの開口部はこれだけ。
Body Color
アンゴラ・ベージュ ストーム・ブルー エクリプス・グレー 
オットマン・ブルー フレーム・レッド
LOOK AT IT
RENAULT GRAND SCENIC RENAULT GRAND SCENIC RENAULT GRAND SCENIC RENAULT GRAND SCENIC  
 グランセニックはとにかく収納スペースが多い。フロント/セカンドシートにはフロアボックスを用意(左上)。2個ずつあるのは子供がケンカしないようにだとか。2.0グラスルーフではセンターコンソールボックス、フロントドアボックス(右下)もつく。
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