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PEUGEOT 407 |
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■発表 2005・5 |
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エレガントかつしなやかな
アーティスティックモデル |
M2セグメントの激戦区に真っ向から挑む407
プジョーのアイデンティティを生かし、優雅さを強調
相対的に価格も抑えられ、ここにブレイクの予感 |
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プジョーの勝負モデル
407が市場を変える |
04年のインポートカー・マーケットで注目できるのは、M2セグメントといわれるアッパーミドルクラスが活況を呈したこと。BMW3、メルセデスC、アウディA4などが上位を固めた。
だが、今年からは様相が変わるかも。なぜなら、プジョーが意欲作の407シリーズで真っ向勝負をかけているからだ。従来の406よりひとまわり大きい407。新開発のプラットフォームに、いかにもプジョーらしいエレガントなボディをまとい魅力十分。ボディはセダンとSWの2タイプ、エンジンは2.2L直4、3L V6がラインアップされる。
セダン3.0エクスクルーシブとSWスポーツ2.2の2台に試乗したが、走りのよさとプジョーとしてのキャラクター性には感じ入った。とくに3.0エクスクルーシブのスムーズでなめらかな走りっぷり、これは全体を見渡してみても極上とさえいえるだろう。
まず第一に、V6とアイシンAW製6ATのマッチングを称えたい。加速フィールはいたってスムーズで、Dレンジホールドでもヒルクライム時に何の不足も感じさせない。ATは、ノーマル、スノー、スポーツ・モードに加え、学習機能をもつ。シーケンシャルMTモードもよいが、Dレンジでも十分に3.0エクスクルーシブのキャラクター性を満喫できる。
100km/hは、6速2000、5速2600、4速3400、3速4600回転相当。高速クルージングは大の得意で、まさに余裕しゃくしゃくだ。エンジンは静かだし、いたって快適な走りについつい足を延ばしてみたくなる。407のイメージにふさわしく、なめらかスムーズなロングツーリングを楽しみたいところだ。そんな気分に浸れたこと、これは久し振りだし、クルマを語るうえで大切な要素といえる。 |
3.0エクスクルーシブの
極上のしなやかさ |
もうひとつ特筆できるのは、フットワークのしなやかさ。9つのショック吸収パターンから最適なプログラムを選択する電子制御ショックアブソーバー装備の3.0モデルは、乗り心地がソフトかつマイルド。といって、コーナリング時に過大にロールすることなく、優れたロードホールディングを併せ持つから価値があるのだ。2.8回転の軽いパワステに応じ、基本的に素直な走りを見せるところがこたえられない。
ただ、パーフェクトとは言い難い。下り坂など、フロント荷重でのコーナリング時、若干の違和感を覚えることも。フロント外側タイヤが腰くだけ気味で、対向するリヤ内側サスが伸びきるためか、一瞬突っ張ったようなフィールをもたらす。ハンドリングに大きな影響を及ぼすわけではないが、一体感を欠くのは残念。絶妙なしなやかさが、一瞬、スポイルされてしまう。とはいえ、3.0で味わったトータル面でのエレガントさは、いまだ心に残っている。
そんな3.0から乗り替えただけに、SWスポーツ2.2の第一印象はいまひとつだった。でも、乗った直後は、力感とスムーズ感に欠けると感じたものの、馴れるにしたがって好感度が高まっていく。1→2速は5500、2→3速は6000でシフトアップ。2.2L直4の4速ATとしては不足ない性能といえる。100km/hは4速2400、3速3400回転相当。ノイズも耳につかず、これで十分といえなくもない。ただ、しなやかさはとくに感じなかった。 |
(文●横越光廣 写真●犬塚直樹) |
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●優美なスタイリッシュさは、プジョーならでは。407のデザインもまた美しい。「感動を呼ぶ美しさ」は、407の開発テーマのひとつだったという。ピニンファリーナの協力のもとに生まれたエレガンス&エモーショナル。スポーツ、エクスクルーシブには、キセノンヘッドランプ&ウォッシャーが標準。 |
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●日本でも販売の中心となるのはSWだろう。従来の406から、全長35、全幅60、全高10、ホイールベース25mmの拡大。リヤにガラスハッチを備え、パノラミックルーフは開放感満点。スタイリッシュで魅力的。 |
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●前席は4ウェイ電動シートで、微調整がきく。表皮はレザーで、さすがにフランス車とあってサポート性、座り心地ともに上々といえる。 |
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●後席は十分なスペースを持ち、居住性がよい。シートタッチも上々だ。また、視界も良好で後席に収まりながらおしゃれなムードが楽しめる。 |
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●テレスコ&チルト機能付きステアリングは、手に馴染む。見やすいホワイトメーターはスポーツマインドをそそる。日本専用のマルチファンクションディスプレー、HDD内蔵ナビ、左右独立エアコンとぬかりない装備で商品力をアップしている。 |
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●セダンの荷室容量は407L。後席は2対1分割可倒式で、バックレストを折り畳むことで長さ1.7mの広くフラットな空間が生まれる。 |
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●SWのラゲッジは、5人乗車時で最大702L。後席を折り畳むことで、1654Lのフラットなスペースとなる。アレンジにより使い勝手抜群。 |
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●エンジンは、2.2L直4と3L V6の2タイプ。両者ともバリアブルバルタイ(VVT)を備え、前者(上)は、2000回転から最大値の92%のトルクを維持。後者(下)は、全域にわたりスムーズに吹け上がる。 |
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■アルシオン・ブルー ■アルミナム・グレー □ビアンカ・ホワイト
■ゴールド・ホワイト ■ルビー・レッド ■オブシディアン・ブラック
※ほか5色あり |
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サスペンションは、フロント(左)がダブルウイッシュボーンの独立。アルミを要所に多用してバネ下重量を軽減する。同じコンセプトのリヤサス(右)は、406から採用のものを進化させたマルチリンク。全体に軽量で、しなやかな乗り味のポイントとなる設計を緻密なまでに展開。電子制御可変ダンパーもその好例といえる。 |
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