307から308への進化で、プジョーのCCモデルは大きく成長。より美しいフォルムと、さらにムーディなインテリアに加えて、一段とスポーティな走りも具現化してみせた。だが……進化から取り残されていたのがAT。変速ショックや変速プログラムは年々改良されてきたとはいえ、いまだ4速のATがネックだったのは事実で、「いつまでAL4(PSAとルノーが共同開発した電制4速ATの型式)を使うんだ?」という落胆の声も聞かれたほど。
でも、もう大丈夫! 3L V6に続いて、308シリーズの1.6L直噴ツインスクロールターボ搭載車にも、アイシンAW製の6速ATが導入されたからだ。同時にエンジンも改良され、16馬力を上乗せしたのだから、走りに対する期待度はすこぶる高い。
では、進化の度合いは?まずうれしくさせるのは、ギヤのつながりが全体によくなり、走りのスムーズさや洗練度が大幅に高まったこと。上り坂や追い越しのキックダウンも、不快な変速ショックやノイズの高まりに悩まされず、スムーズにこなせるようになった。4速と比べると、6速は各ギヤがグッとクロスした設定なのだから、当然のことだ。
また、燃費のいい回転域を有効に使えるようになったことで、経済性や環境性能も進化。1速のオーバーオールギヤ比が12.2から17.0とグッと低くなったため、発進からの加速もググッと力強くなった。ここまでは予想どおりだ。なら、予想以上だったのは?6速化と、中高回転域のパワー感向上の相乗効果で、スポーティ度や速さが大きく進化したことが、走り好きを大いに喜ばせるカギになっている。
そこで見逃せないのは、グリフに加えてプレミアムのタイヤも16から17インチに格上げされたこと。ルックス、走りとも、よりスポーティ度が高まった。そんな新308CCは、多くのファンに歓迎されるはず。魅力は2割…いや3割り増しだ。
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