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PEUGEOT 308 |
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■発表 未定 |
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307の後継モデルが海外デビュー
乗り味はプジョーそのものだった |
207に続き、兄貴分の308がヨーロッパでデビュー
BMWと共同開発のエンジンを与えられた308は、走りの楽しさと
快適性を両立するフレンチ・ハッチバックであった |
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上の写真を見て「プジョー207じゃないの?」と思った人、たしかに似ているけれど違う。タイトルにあるとおり308。ヨーロッパでは9月に発売された307に続く新型だ。
ちなみに207との大きな違いは、フロントではフォグランプがグリルから出て縦長になったこと。サイドには明確なプレスラインが加わり、リヤはテールゲートの角度が207より起きている。
もちろんボディサイズも違う。全長は4276mm、全幅は1815mm、全高1498mmと、日本仕様の207シエロと比べて246mm長く、65mm広く、28mm高い。先代307と比べても、衝突安全性や室内空間拡大を目的に、高さ以外をサイズアップしている。
一方プラットフォームは、ホイールベースやサスペンション形式を含めて307と同じ。しかしトレッドは約30mmワイドになっているから、室内はとくに横方向が拡大。長さや高さも余裕があり、フロントシート優先という感じがある207とは違い、4人のおとなが楽に過ごせる空間となっている。そこにパノラミックルーフが開放感をプラスしている。
ガソリン/ディーゼル合わせて5種類が用意されるエンジンのなかから、プジョー創業の地フランスはアルザス地方で行われた国際試乗会で乗ったのは、来年夏前に日本にも導入予定のガソリン1.6Lターボ。207GT/GTiにも積まれているこのエンジンは、知っている人も多いようにBMWとの共同開発ユニットだ。
日本へは175馬力の6速MTと140馬力の4速ATが輸入される予定だというが、今回乗ったのは150馬力の5速MT。つまり207GTと同じスペックだ。直噴コモンレール方式、ツインスクロールターボを採用して、動力性能だけでなく環境性能を追求していることも特徴。プジョーはこのエンジンを2L自然吸気の代わりとすることで、ダウンサイジングを実践している。
308のボディは、フロントの衝撃吸収メンバーを3組に増やし、ねじり剛性は307より10%アップするなどの強化を施しているが、1.6Lターボ仕様の車両重量は1327kgと、207GTのハッチバックとCCの中間であり、そんなに重くはない。
おかげで加速はけっこう強力だが、それ以上に印象的だったのはターボならではの懐の深さ。207GTがそうだったように、シフトダウンせずにアクセルひと踏みで速度を上乗せできるのでラクだ。ATとの相性もいいだろう。
それ以上に心に残ったのは、乗り心地がプジョーそのものだったことだ。路面のショックをしなやかにいなし、速度を上げればフラットに姿勢をキープしてくれる。その面で定評のある307のプラットフォームを受け継いだことがいい結果を生み出しているようだ。しかもボディ剛性のアップのおかげで、上質感も加わった。
パワーステアリングが電動油圧式であることも307と同じ。電動式ではなかなか得られない自然なフィールが心地いい。そして身のこなしは、車格を感じさせないほど軽快だ。先代に続いてアルミ製ボンネットや樹脂製フロントフェンダーを採用し、前荷重を減らした成果がしっかり出ている。ワイドになったボディは307で気になった腰高感を消し、乗り手の意志どおりにコーナーを抜けていくことを可能としていた。
ダイナミックなフォルムを手に入れた308は、それに負けない走りを見せてくれたのである。 |
文●森口将之 写真●プジョー・ジャポン |
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●室内は広さで定評のあった307をベースに、フロントシートのヒジまわりで35mm拡大。前後方向もリヤシート足元で28mm広くなっている。シートはファブリックとレザーを用意。当たりはやさしく、芯はしっかりという着座感がプジョーらしい。 |
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●インパネの造形はシンプルだが仕上げは上質。シフトレバー周辺やドアグリップに配されたシルバーのアクセントが効いている。上級グレードにはクーペ407などと同じ、インパネやドアトリムも本革でおおったインテグラルレザーも用意される。 |
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●メーターはクロームメッキのリングにスポーティなホワイトダイヤルの組み合わせ。ライトオンで赤い針がフワッと浮かび上がる。 |
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●最近のプジョーでおなじみのパノラミックルーフも用意。4.86m2とクラストップを誇るグラスエリアがキャビンを開放的に見せる。 |
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●VDA方式で348Lのラゲッジスペース。トノカバーにも収納スペースを用意。リヤシートの折り畳みはダブルフォールディング式。 |
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●エンジンは、ガソリンがこの1.6L直噴ターボのほか、1.4Lと1.6L自然吸気を用意。いずれもBMWとの共同開発で、ミニに積まれているものと基本的に同じだ。プジョー得意の直噴ディーゼルターボは1.6Lと2Lが存在する。 |
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さらに広がるボディバリエーション
今後はスポーツクーペの登場にも期待がかかる
先代307にはハッチバックのほか、ワゴンのSWとクーペカブリオレのCCもあった。もちろん308にもこれらのボディが設定される予定。9月に開催されたフランクフルト・ショーでコンセプトカーとして発表された308SWプロローグが、ほぼそのままの形で来年308SWとして市販されるはず。やや遅れてCCも登場するという。もちろんこれらもハッチバックに続いて日本にやってくるだろう。東京モーターショーにも展示されたクーペボディの308RC-Zは、反響が大きければ市販を考えるという。 |
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