そもそもが軽量コンパクトで、運動性能を高めて走る楽しみを追求したのが208シリーズである。そのファンな走りは一目瞭然で、ステアリングを握ってすぐに「なるほど、こうきたか!」と思わずニンマリしてしまうもの。
その208シリーズにGTiが追加された。いわずもがな「本命」となる。その性格は3ドアに限定されたボディとMTのみという設定からもわかる。6速MTを小気味よく動かしてコントロールするのが醍醐味だ。今回プジョーは205GTiを歴史的なモデルに位置づけ、208GTiをその系譜とした。なんと試乗会にもかつてのそれを展示、各メディアの目を惹き付けたのだから恐れ入る。
さて、こいつの特徴はまさにその走りである。小径のステアリングをタイヤからのインフォーメーションを感じながら動かす感じがたまらない。マフラーエンドも専用なので音もどことなくレーシーに聞こえる。また、試乗は芦ノ湖スカイラインだったのだが、2速と3速のギヤ比がバッチリあっているのには驚いた。クルマによっては2速で回転が上がり過ぎて気持ちよさをスポイルされてしまうが208GTiは違った。それにシフトフィールにフランス車らしいストロークが残されていたのもうれしい。いかにも!なショートストロークではなく、最後の部分がニュルっと入るところに好感が持てる。タイヤサイズは205/45R17。17インチでもそれなりの乗り心地がキープされているのもフランス車ならではのグッドポイント。
ワインディングでは剛性感あるボディがきっちり向きを変えた。トーションビームのリヤサスは想像以上に懐が深くキレイに荷重を移動させる。サスペンションは形式ではなくセッティングだということを、このクルマで改めて思い知らされた。う〜ん、ネコ脚健在!である。
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