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PEUGEOT 207 |
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■発表 2007・3 |
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輸入車ファン待望のコンパクト
プジョー207がついに国内デビュー! |
日本でフレンチコンパクトカーブームを引き起こしたプジョー205
その後206を経て、プジョーの最新コンパクト207がついに国内デビューを果たした
新型エンジンを搭載する207のその走りの実力とは? |
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いまや日本でプジョーといえば、クルマ好きならだれでも知っているブランド。そこまで知名度を高めた立役者は206だ。だからこそ後継車の207には、輸入車好きが興味を示しているはず。
日本仕様は、5ドアボディに1.6L自然吸気エンジンと4速ATを組み合わせた207と207シエロ、3ドアボディに1.6Lターボエンジンと5速MTを搭載した207GTの3グレードになる。今回はシエロとGTに乗った。
206をさらにダイナミックに仕立てたそのカタチは、とにかく目立つ。とくにフロントマスクの鋭さとリヤフェンダーのふくらみが印象的。サイズは全長が4mを超え、全幅は日本の5ナンバー枠である1.7mをオーバーするなど、このクラスでは最大級だが、存在感の大きさはそれ以上だ。
インテリアはクオリティアップがポイント。安っぽい印象をぬぐえなかった206とは別次元だ。このクラスでトップレベルの質感を手にしたといえる。スペースは、前後方向のゆとりはさほどでもないが、横方向はサイズアップを実感する。シートの座り心地はプジョーとしては固めだ。
1.6LエンジンはPSAプジョー・シトロエンとBMWグループの共同開発。シエロに乗って走り始めると、それを実感する。きめ細かいサウンドとスムーズな吹け上がりは上質そのもの。加速は平均レベルで、山道ではATが4速であることが気になるが、音は高回転でも気にならない。いままでのプジョーのエンジンとは次元が違う。ロードノイズが小さく抑えられていることも魅力だ。
それに比べるとGTの加速は強力。しかもターボは2000回転という低回転から効き始めるので、発進時以外はいつもターボの押し出すようなダッシュが手に入る。高回転での突き抜けるような伸びはないが、それ以上に扱いやすさが印象的だった。シフトレバーをこまめに動かさなくとも、速さが手にできるのである。
サスペンションもプジョーとしては固め。街中ではシエロであっても上下の揺れが気になり、これがネコ足なの?という気持ちになる。ところがしばらく乗っていると、鋭いショックをたくみにシャットアウトしていることがわかる。そして速度を上げると、しっとりしたストロークで入力を丸め込むことがわかる。ネコ足になるスピードが上がっているのだ。
それを実感するのがGT。街中での乗り心地はシエロ以上に固いが、ペースを上げたときのフラット感はシエロより一枚上手で、心地よく思えるほどだった。
パワーステアリングは、電動式とは思えないほど自然なフィール。切ったときのノーズの動きはプジョーとしてはおだやかだが、その代わりリヤは安定していて、206のようなスライドを発生することはない。それに速度を上げても切ったとおりに進んでいくリニア感はプジョーそのもの。
GTのハンドリングはこの特性を研ぎ澄ませた感じで、ターンインは鋭くなり、コーナリングスピードはこのクラスのハッチバックとしてはトップレベル。アクセル操作で姿勢をコントロールすることもできる。シエロとの違いをきっちり作りわけしてくるあたり、さすがプジョーといえる。
デザインこそキープコンセプトという感じだが、中身はインテリアから加速、ハンドリングまで、すべてが206よりレベルアップしていた。コンパクトプジョーが新しい次元に突入したことを、実感させてくれるのだ。 |
文●森口将之 写真●犬塚直樹 |
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●ホイールサイズはNAモデルが195/55R16、ターボモデル(GT)が205/45R17となる。 |
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●シエロとGTに装備されるパノラミックガラスルーフは、サンルーフとは段違いの開放感を実現。 |
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●シートの座り心地はプジョーとしては固め。素材はシエロとGTではハーフレザーになり、さらにシエロではオプションでフルレザーも選択可能。インテリアカラーはブラックが基本だが、フルレザー仕様ではグレージュも用意される。 |
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●ギヤはベースグレードとシエロは4速AT、GTは5速MT。206からキャリーオーバーされた数少ない部分。 |
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●ペダルはGTとシエロはアルミ製。プジョーの伝統で足元はタイトだが、配置に不満は抱かない。 |
●206よりもクオリティがグッとアップしたインパネ。ホワイトのダイヤルにクロームメッキのリングというメーターも、上質感をアピールする。センターには燃費や平均速度、バックソナー状況、シートベルト警告インジケーターなどを表示するマルチファンクションディスプレイを装備。この部分とコンソールを囲むアクセントは、シエロとGTではカーボン調となる。 |
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●ラゲッジルームの容量は、通常時で270L、リヤシートを折り畳めば923Lという広大なスペースを確保する。 |
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●GTのターボエンジンは、直噴コモンレール、ツインスクロールターボと、このクラスではゼイタクといえるメカを満載。これが速さと扱いやすさの両立という結果を生み出した。 |
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■モンテベロ・ブルー ■アルミナム・グレー ■ラセルタ・イエロー
■アデン・レッド □ビアンカ・ホワイト ■オブシディアン・ブラック
※ほか5色あり |
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エアバックなど安全装備について
207は、そのスタイリングや走りの性能のみならず、高い安全性能をもつのも特徴。全グレードにESPを標準装備するのはもちろん、フロント、サイド、カーテンの合計6つのエアバッグも全車標準とされる。とくにフロントは衝撃の強さに応じて膨張圧を2段階に調整。またユーロNCAPでは乗員保護部門で最高評価の5つ星を獲得するなど、ボディ構造も工夫されている。 |
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