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OPEL ZAFIRA |
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■発表 2005・10 |
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生まれ変わったザフィーラは
まさにユーティリティプレーヤー |
7シートのアレンジは多彩で、使い勝手は申し分なし
装備面も充実し、商品力は格段に高まった
しかも、軽快スポーティな走行フィールは魅力十分だ |
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CD、スポーツそれぞれに魅力あり |
99年にドイツで初のコンパクトバンとしてデビューしたザフィーラがモデルチェンジ。ひとまわり大きくなったボディに、多目的フレックス7シーティングシステムの大幅な改善などによる優れたユーティリティ、レベルアップした走行性能等々、トータル的にも格段に魅力を高めた。激戦区となるこのクラスで、十分にわたりあえるだけの商品力を持ったといえるだろう。グレードは「CD」と「スポーツ」の2タイプで、右ハンドルの4速ATのみ。価格は実力からしてリーズナブルといえる。
変幻自在のシートアレンジと、室内各所の親身な設計には感じいる。ならば走りはどうか。正直言えば、最初に乗ったCDには期待していなかった。ところが、走れば走るほど、好感度が高まるばかり。これは意外でもあった。
シグナムと同じ2.2Lエンジンは、軽やかに吹け上がる。Dレンジホールドでのフル加速では、6500レッドのところ6250回転でシフト。最初は、4速ATで物足りなさを感じるだろうと予想していたところ、軽快な加速フィールがもたらされる。エンジン音は耳に軽やかで、高速道路でもなかなか快適。100km/hは、4速2250、3速3250、2速5000回転相当。2〜3速間がワイドレシオで、そこがフィールドによってどう影響するかが興味の的。3、4速中心の郊外路や高速道路では余裕十分、スムーズな加速フィールには納得できた。とくにスピードが高まれば高まるほど、余力をアピール。直進性のよさと相まって、高速で真価発揮の走りっぷりには満足させられた。
2.6回転のパワステはそこそこクイックで、おまけに素直。ロール感も自然で、ワインディングロードでさえ、不足を感じさせないフットワークを見せるのだ。CDで十分と、その時点で感じるのも無理はなかった。 |
劇的に変わるスポーツモード |
CDの後で乗ったスポーツには、アストラで好評だった電子制御CDC付きIDSプラスシャシーを標準装備。インパネ上のスイッチにより「スポーツ」モードを選択すれば、アクセルレスポンス、シフトスケジュールがクイック化、さらにCDCがサスペンションの減衰力を高め、マップ制御式電動油圧ステアリングもクイック化するというもの。スイッチオンと同時に、クイック・レスポンスに。その劇的な変わりようは、インパクト十分で、思わずオンオフを繰り返してしまった。
ザフィーラ用にチューンされたこのシステムは、またしてもレポーターを楽しませてくれた。スポーツモード・オンでのクイック感、ノーマル時とのフィーリング差がはっきり分けられているだけに、病みつきになる。
ノーマルでも十分な性能をもつのに、スポーツモードでのクイック感を味わうと、ザフィーラということを忘れてしまう。腰高感もなければ、ハンドリングやシフトスケジュールなど、全体がクイック化し、まさにスポーティ・サルーンに変身、その一語に尽きるのだ。それほどのフィールをもたらすのだから、こと走行フィールは7シーターのコンパクト・ワゴンの粋を超えている。205/55R16のラジアルにしてはスタビリティも高く、乗り味にも上質感がある。エンジン出力は150馬力とはとても思えないほど力感もあり、4速ATとは思えない加速フィールのスムーズ感が心地よい。 |
文●横越光廣 写真●犬塚直樹 |
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●幅広で台形のクロームグリルにオペルロゴを配したクロスバーと、三次元クリアガラス・ヘッドランプが力強いスポーティ感をかもす。ウェッジシェイプのノーズとAピラー、テールにつながるルーフラインが空力的で、Cd値はクラストップの0.31。ルーフレールはボディと一体化している。 |
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●先代と比べ全長×全幅で150×60mm拡大。ホイールベースとトレッドも、2705mm、前1485/後1505mmにワイド化。剛性も同時に高められている。 |
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●シートはタッチこそ硬めでも体にフィット。操作性のよいラチェット式リフターが、好ポジションをもたらす。 |
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●2列目シートは、4対2対4分割可倒式。とくにヘッドルームに断然の余裕があるだけに、居住性もなかなかだ。 |
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●格納式のサードシートは、決して簡易的なスペースにあらず。狭くても、大人2名が普通に座れるスペースをもつ。 |
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●機能美を感じさせるのが3Dインパネまわり。センターコンソールもきちっとデザインされている。操作方法が分かりやすい2DINサイズの新型インフォティメント・システムを装備、その下には「スポーツ」モードのプッシュスイッチが配される。 |
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●3Dインパネはドライバー本位のスイッチ配置で、見やすいメーター類ともども機能的。小径でスポーティな3本スポークステアリングは、もちろんテレスコ&チルト機能付きだ。U字形パーキングブレーキレバーは操作性抜群。 |
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●オールアルミブロックの2.2Lは、直噴ツインポートシステムをもち高効率。2本のバランサーシャフトとデュアル・マスフライホイールを装備し、全域スムーズ。ユーロ4排ガス規制をクリアする。 |
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■スターシルバーIII □カサブランカホワイト ■マグマレッド
■ブラックサファイア ■ウルトラブルー ■パンナコッタ |
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自慢のフレックス7シーティングシステムは、アレンジ多彩で使い勝手は極めつき。ワンタッチ操作で、みるみる室内がフラット化されていく。荷物の最大積載容量は、なんと1820L。先代比120Lの増量だ。5シーター状態でも45L増の645Lと広々。さらに、フレックス・オーガナイザーシステムや豊富なポケットが利便性を高める。 |
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