メルセデスのGLクラスは日本ではマイナーな存在かもしれない。いまだ人気の衰えないGクラスやそれを現代的にしたMクラスほど販売台数は稼いでいない。その理由は日本で乗るには大きすぎるなどが挙げられるが、そもそもこいつはアメリカ市場をメインターゲットとしている。つまり、Mクラスでは足りないユーティリティをホイールベースを伸ばし3列シートにすることで達成させた。それにアメリカにおける25%という巨額の関税から現地生産している。このGLとMクラスの生産工場はアラバマ州にある……。
そんなGLクラスの日本でのラインアップは、GL550とGL63AMGとなる。価格は1326万8000円からの設定だ。このことからもわかるように、こいつはかなり乗る人を選ぶ。これだけのサイズと価格を許容できなくてはならないからだ。
GL550のスペックを見ると、エンジンは4.7L V8ツインターボを搭載する。最高出力は435psで、最大トルクはなんと71.4kgmというシロモノだ。しかもこの大トルクを1800回転で絞り出すから驚く。アメリカでのトーイング(牽引)まで考えるとそのくらいは必要なのかもしれないが、それにしても車格にあったすごい内容を持っている。
実際に走らせて見ると……かなりパワフル。大きなエンジンを振るわせながらドーンと加速する様は迫力満点だ。イメージ的にはもっと大きな排気量にも思えたほどである。が、エンジンのフィールは逞しくも、その他の部分はかなり繊細に仕上がっている。乗り心地はフワフワしたところもあるが、ステアリングは正確で高速コーナーでもピタッと安定させることができる。それにロールは少なく、ブレーキの効きもかなりたしかだ。なるほどお見事。言うなればこいつはメルセデスが作ったアメリカンスタイルのSUVといったところである。
|