輸入車の先陣を切って、エコカー減税対象車の認定を受けたE250CGIセダン・アバンギャルドは、日本市場を重要視するメルセデスの姿勢を示した価値のあるモデル。その評判は上々だ。
でも、重量級の装備を複数プラスすることで、燃費基準のもとになる重量ランクを上げて、「プラス20%」を達成する手法は……。悪いのは理不尽な日本の燃費ルールだが、車重1780kgのボディと4気筒1.8L直噴ターボの組み合わせは、マッチング面で少々の疑問を投げかける。全体のまとまりは悪くないが、ときとして加速の重さ感、そしてハードコーナリングでは車体の重さ(原因は標準装備のパノラミックスライディングルーフ)を意識させるのが気になるところだ。
その点、標準で1570kg、AMGスポーツパッケージでも1610kgに収まるクーペの走りは、グッと軽快でスポーティな仕上がり。2000〜3000回転台のゴロゴロした回転フィールやサウンドは4気筒特有のもので、そこに6気筒との違いを意識するが、静粛性も高級クーペとしても納得のレベルにある。加速力や高速域の伸びは、「ホントに1.8Lなの!?」と驚くほど力強い印象で、高いレベルでパフォーマンスをバランスさせている。
また、18インチ標準のAMGスポーツパッケージでも、洗練された乗り心地を提供する点も見逃せない。ノーマルモードでは足のドタドタ感が抑えられ、荒れた路面を低速で走る際も、高速のきついジョイントを通過する際も、快適な乗り心地を実現している。で、スポーツモードにするとステアリングの手ごたえ感が増し、操縦性はよりダイレクトに、素早く反応する方向に変化。スポーティな走りも存分に楽しめるのだから、E250CGIクーペの楽しみの幅は広い。とくに光るのは、4気筒モデルならではの身のこなしの軽快感だ。
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