優美なスタイルを纏ったCLSクラスで、「4ドアクーペ」という高級車の新鉱脈を掘り当てたメルセデス。その成功戦略を、Cセグメントで再現したのが話題のCLAクラスだ。ご存じのように母体はAクラスだが、見た目の印象はまさにミニCLS。セグメントを超越したステイタス性を表現している。
そんなCLAクラスのラインアップにあって、万能性をアピールするのがCLA250 4マチックだ。2L直噴ターボ+7速DCTの心臓を積むCLA250のパフォーマンスはすでに定評があるが、電制カップリング式4駆メカをプラスした4マチックモデルの仕上がりもいい。低ミュー路で真価を見せる高いトラクション性能や安定性が最大のウリだが、ドライ路面でも4駆の利点は十分に実感できる。
たとえばコーナリング。FFモデルでは211馬力/35.7kgmのエンジン性能を使い切れないケースもあるが、前輪が空転する状況で後輪にも適切な駆動力を分配する4マチックはじつに頼もしい。とくにSモードやMモードでは、後輪に積極的にトルクを配分するため、ハンドリング特性もファンな方向へと変化。スポーティな走りを存分に楽しませてくれるというわけだ。CLAクラスはスポーツサスと18インチランフラットタイヤ(45AMGを除く)を採用するため、乗り心地は全体にやや硬質なタッチとなるが、操安性のよさを考えれば納得がいく。
バリュー度優先のパターンで食指が動くのは、十分な動力性能と手頃な価格をバランスさせたCLA180だろう。でも、1.6Lの「180」と2Lの「250」では、正直、走りのゆとりや快適度のレベルが違う。エンジンの回転フィールや音質だけをとっても、2Lはより濃厚なメルセデステイストを味わわせてくれるのだ。加えて、「250」は装備レベルもより充実しているのだから、その価値は大きい。とくに注目したいのは、頼りになる4マチックモデルだ。
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