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MERCEDES-BENZ C-CLASS |
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■発表 2006・6 |
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高次元でバランスされた走行性能が
かつてないドライビングプレジャーを実現 |
アグレッシブかつダイナミックなスタイリングを装う3代目新型Cクラス
限界域での走行性能を試せるサーキット試乗にて確かめられたのは
大幅なレベルアップを遂げ、スポーティと呼べるほど進化したハンドリング性能だ |
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3代目に進化したCクラスを強く印象づけるのは、キリッと精悍な表情のマスク。柔和なまなざしのツインヘッドライトが特徴の先代から大きくイメージを変え、スポーティさや威圧感を強調するスタイルに変身した。とくに、SLグリルを与えられたアバンギャルド系のルックスはダイナミック。鋭い眼光が標的として定めるのは……言うまでもなく、終生のライバルであるBMW3シリーズだ。
となると、気になるのは走り。変わったのは見た目だけでなく、走りの味付けも思い切ってスポーティな方向にシフトさせている。今回はその驚くべき“C”の変貌を、ツインリンクもてぎ(フルコース)を舞台としたサーキット試乗会で確かめることができた。
まず顔をほころばせるのは正確なハンドリング。挙動変化や路面状況を密に伝えるステアリングを切ると、今度のCクラスは素直かつ素早い反応を示し、思いどおりのラインを描いてコーナーを駆け抜けていく。17インチタイヤを履くアバンギャルド系だけでなく、16インチ装着のC200エレガンスでもサーキットを攻める歓びが味わえたのだから、W204・Cクラスのポテンシャルは本物だ。
しかも、そのスポーティな走りはうわべだけの演出ではない。強引な操舵をしても、オーバースピード気味に突っ込んでもどこ吹く風といった印象。危なっかしい挙動はいっさい見せず、限界域まで高度なコントロール性を保つのだから奥が深い。さらにブレーキの効きや信頼性も◎。メルセデスの伝統である「エンジンより速いシャシー」を見事に証明して見せた。
W204は、ボディ、シャシー、パワートレーンなどの多岐に渡る性能を高い次元でバランスさせた「アジリティ(敏捷性)コントロール」を採用したはじめてのモデルだが、その効果は「Cクラスが変わった!」と、乗ればすぐに実感できるほどのもの。というと、過度のスポーティさを心配するファンもいるだろうが、メルセデスが伝統とする走りの安心感や快適性もおろそかにはされていない。
後日、一般道でC200アバンギャルドをテイスティングしてみたが、低速域でもサスは硬すぎず乗り心地は上質かつ快適。挙動の過敏さも認められず、心地いいドライブを楽しむことができた。状況に合わせて減衰特性を自動制御するセレクティブダンピングシステムなどの新技術が、効果的に働いていることの証明と言える。
では、先陣を切って導入された3モデル(C250は9月下旬の発売)の性格の違いは? まずはハンドリング。高い限界性能やダイレクト感を求めるなら、15mmダウンのスポーツサスや前後異サイズタイヤ、大型ブレーキなどを標準装備するC300アバンギャルドSがピタリとはまる。だが、フットワークの軽快感に関してはノーズが軽いC200アバンギャルドに分があり、この2モデルの選択は悩みの要素も含んでいる。
そして、快適性を優先させるならC200エレガンス。いい意味で落ち着いた操安性や、アバンギャルドよりさらに快適な乗り心地を特徴とし、メルセデスらしいメルセデスに仕上がっている。ちなみに、先代はV6と直4で大きな性能差が認められたが、21馬力/1.0kgを上乗せした新しいC200コンプレッサーはその差を一気に縮めた印象。スムーズさや静粛性ではさすがにV6が優位に立つが、性能面ではまるで不満がない。完成度の高さは折り紙付きだ。 |
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●スリーポインテッドスターが中央に輝く「SLグリル」を与えられたアバンギャルド系は、一段とダイナミックで、スポーティなスタイルが特徴。 |
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●ボディのサイズアップに伴いエルボールームや後席ニースペースを拡大。快適性やくつろぎ感を進化させた。前席パワーシートはC200系が4ウェイ式、V6モデルはより高度なメモリー付き。本革シートはアバンギャルドSに標準、他モデルにオプションの設定となる。 |
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●質感や建て付け精度は確実に向上。HDDナビとAVシステムを連携させたCOMANDシステムは全車標準のアイテムで、専用コントローラーとステアリングスイッチにより操作する。中央の7インチモニターは格納式。未使用時にはスッキリしたルックスと視界を保つ。木目パネルはエレガンスがウォールナット、アバンギャルド系がバードアイメープル。 |
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●トランク容量は先代より10L大きい440L。リッド開口も大きくなり、使い勝手が高まった。ただし、W204には分割可倒シートバックは非設定。長尺物の収納が必須の場合は、ワゴンの世代交代を待つ必要がある。 |
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●基本構成は同じだが、C200用の1.8L直4コンプレッサー(写真左)は163馬力/24.5kgmから184馬力/25.5kgmへと性能アップ。V6(写真右)は231馬力の3Lと204馬力の2.5Lの2タイプを設定する。ティップシフト付きATはC200が5速、C250&300が7速を搭載する。 |
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□カルサイトホワイト ■オプシディアンブラック ■イリジウムシルバー
■サンディンベージュ ■ファイアオパール ■タンザナイトブルー
※ほか5色あり |
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さらに堅牢に、より軽く
ボディも基本設計から進化
走り、快適性、安全性のすべての性能に磨きをかけるため、ボディは構造や素材の面から見直された。たとえば軽量化。ボディシェルの約20%に超高張力鋼板、フロントフェンダーやフロントエンドモジュールメンバー、ドアモジュールなどにアルミを採用することで、W203比で8kg軽量化を達成した。この数値は、ねじれ剛性の13%向上や大幅な衝突安全性の向上を実現した上でのことだから、なおさらの価値を持つ。主要接合部へのレーザー溶接の採用も見逃せないところで、その全長は約60mに達する。サスペンションに関しては、セレクティブダンピングシステムの新採用が最大のトピックだ。 |
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