コンパクトSUVのボディに3.2L直6エンジンを横置きしてきたフリーランダー2。
ライバルよりも大きなエンジンで小さいカラダを軽快に飛ばすのがこのクルマの特徴でもあった。が、2013年モデルからそんなキャラクターが変わる。見た目は小変更にとどめながらも、心臓を入れ替えて生まれ変わったのだ。
新たにボンネットの下に納まるパワーユニットは2L直4+ターボ。そう、イヴォークに積まれるアレである。目的は二酸化炭素の軽減や燃費の向上。つまり、いま流行のエンジンのダウンサイジングで環境問題に応えようとしているのだ。もはや年季が入った直6よりも高効率で環境にやさしいのはいわずもがなとなる。
おもしろいのは最高出力や最大トルク。シリンダーの数が減り排気量をグッと下げながらも、これまでより数値を高めているのだ。従来232馬力であった最高出力は240馬力に上がっているのだから恐れ入る。エンジン自体がコンパクトになり軽量化されたことを鑑みると、メリットだらけの進化と言えるだろう。
では実際に走った印象はというと、これがいい感じのマッチングであった。すでに定評ある4気筒ユニットだけに全回転域で首を傾げるようなところはない。スタート時のレスポンスのよさ、中間加速の力強さ、さらには高速域の頼もしさは予想どおり。あまりにも自然なエンジンとボディのバランスは、今回から積まれたとは思えないほどよくできている。
それと同時に感じるのは鼻先の軽さ。高速道路でのダブルレーンチェンジではステアリングの動きに対し、スッとボンネットが向きを変える。この辺のフィーリングは明らかにこれまでとは違う。運動神経がよくなったようだ。こいつは省燃費も含めかなり期待できる仕上がりといえるだろう。
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