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HYUNDAI SONATA |
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■発表 2005・9 |
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リーズナブルで商品力のある
上級ミドルセダン |
第5世代となるソナタは、上級ミドルセダンとしてますます
実力アップし、国際レベルでの競争力を身につけつつある
これでテイストが高まれば言うことなしだ |
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絶え間ない進化
ヒュンダイは本気だ |
今、韓国車が世界を舞台に輸出台数を伸ばしている。その勢いたるや、かつて日本車が世界に進出したパターンを思わせる。なかでもヒュンダイの飛躍には、目を見張るものがある。
そのヒュンダイの代表格として本国で85年にデビューした上級ミドルセダンのソナタは、04年にはなんと23万台が世界に送りだされたというから、ヒュンダイおそるべしだ。
新たに日本で発売されるのは、第5世代にあたるソナタ。エンジンは2.4L直4DOHCの1タイプで、グレードは装備によるGL、GLS、同Lパッケージの3種。価格は208万9500円〜267万7500円と、車格からしてリーズナブル。商品力があるからこそ注目できるし、日本のメーカーはマークする必要がある。
ヒュンダイのクルマ全般が実力アップしていること、これは認めるべきうれしい傾向だ。それだけ世界のクルマを対象としてのユーザーの選択肢が広がるということである。だからこそ、今回のソナタの試乗は興味津々だった。
なんの予備知識もなく、キーを受け取るやいきなり乗ったソナタGLS。ポジションをキメると、4速ATのセレクトレバーをDレンジに入れ、すぐに発進した。それから数キロ走って感じたこと、それはいきなり乗ったにもかかわらず、いたってスムーズに走れていること。つまり、シートに収まってから数キロ先までの一連のフィールに、何の違和感を覚えることもなかったということなのである。これは、クルマの本質的な性能、フィールを語るうえで、大事なファクターだ。強いクセもなく、すぐに馴染めるソナタ。そこが、まず第一の持ち味であるのはいうまでもない。 |
素直でいて乗り味はいたってマイルド |
新開発という2.4L直4DOHCと、シフトロニック電子制御4速ATは、そこそこスムーズな加速フィールをもたらしてくれる。Dレンジフル加速では、6500回転レッドゾーンのところ6200回転でシフト。高回転までストレスなく吹け上がるエンジンのおかげで、スポーティ感を味わうこともできる。ただ、アップダウンの続くワインディングロードでは、スムーズ感がそこなわれることも。レスポンスは悪くないとしても、4速ATでは限界がある。今日レベルの上級ミドルセダンであれば、少なくとも5速ATが望まれるところだ。
直4としてはエンジンの静粛性は高いし、快適性には注目できる。乗り心地だって、マイルドでなかなかだ。が、乗り味のクオリティは、ベターではあっても、ベストではない。ひと味足りないものがある。それを一語にすれば、しなやかさだ。ヒュンダイが、加速フィールを含めてのひと味違うしなやかさを身につけたら、世界に名だたるトップメーカーが、本当の脅威を覚えることになる。
3.2回転のパワステと、前ダブルウイッシュボーン、後マルチリンク・サスがもたらすハンドリングは、なかなか素直。いきなり乗って扱いやすいという印象も、そんなハンドリングに負うところ大だ。FFとしてのクセを意識することなく、ワインディングロードや市街地をスムーズに走れるところに好感度が高まる。100km/hは4速2200回転にすぎず、高速クルーズでは余裕十分。上級ミドルセダンとしての資質には見るべきものがある。 |
文●横越光廣 写真●犬塚直樹 |
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●わかりやすい直線基調のなかに、エレガントでスマートなルーフラインや面構成をコラボレートさせたプロポーションは、なかなか魅力的。4ドアの上級ミドルセダンとして、シンプルにまとまっているところがまたよい。冬のソナタに夢中なミドルエイジの女性たちのハートをとらえそう。 |
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●ソナタは4ドアセダンとして、シンプルかつトラディショナルなスタイルを持つ。全長×全幅×全高×ホイールベースは、4800×1830×1475×2730mmと、コンベンショナルといっていい。セダンならではの持ち味が引き立つ。 |
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●後席スペースは広々としていて、ゆったりと座れる。乗員にとっては、快適この上ない上級感が味わえるはず。 |
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●GLSの運転席は8ウェイ・パワーシート。Lパッケージには、助手席にも4ウェイ・パワーシートが標準装備。 |
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●水平ライン基調のダッシュボードまわりは、シンプルでいて、要所に上級感をかもすアクセントを配した。ときめきこそ感じないものの、実用性においては評価できる。GLSのステアリングはテレスコ・チルト。 |
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●GLS・Lパッケージは、ブラックフェイスに電子発光タイプのスーパービジョンが標準。ムードは上質。 |
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●高めのデッキに広い開口部。ラゲッジルームの容量は462Lだが、有効スペースと使い勝手は数値以上と感じる。もしものときに、内側からトランクリッドを開けられる緊急脱出システムも備える。 |
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●新開発の2.4Lは、シリンダーブロックがアルミ合金。連続可変バルタイ(CVVT)を備えトルクフル。ツインバランスシャフトを装備。 |
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□ノーブルホワイト ■エボニーブラック ■オーロラブルー
■クリスタルシルバー ■ピュアパールホワイト |
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新開発のプラットフォームに、高めのルーフ、ロングホイールベースというレイアウトにより、キャビンは広げられている。補強されたサブフレームなどで剛性を高め、低騒音型パワステ、補強されたボディパネルやツインバランスシャフト、サイレントタイミングチェーンなどにより振動とノイズを抑え、クオリティを高めている。 |
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