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CITROEN XSARA PICASSO |
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■発表 2004・5 |
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アイデア満点のユーティリティと個性が光るマルチプレーヤー |
クサラ・セダンベースのモノスペース・セダン「クサラ・ピカソ」その先鋭的なデザインと考えられた使い勝手は一級品 さらに走行フィールも満足いくというのだから、見逃せない1台だ |
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日本へは2L4速ATの最上級グレードが上陸 |
ただのワンボックスではなく、デザイン、走行性能、ユーティリティで高いバランスを目指す。そこで生まれたのが、モノスペース・セダンというコンセプト。
ピカソは、クサラ・セダンベースに開発され、ヨーロッパでは00年1月に発売。以来、03年末までに85万台以上を販売し、シトロエンを活気づけた。ヒットのポイントは、ピカソというネーミングが息づく先鋭的でスマート、アーティスティックなデザインと、ユーティリティに優れている点。手ごろなサイズのボディをフルに生かしたアイデアの数々には感心しきり。レベルの高い国産同クラス車と比べてみても、勝るとも劣らない。そんなピカソだが、日本にデリバリーされるのは04年3月にフェイスリフトされたばかりの最新車。2Lエンジン+4速ATの右ハンドル仕様のみだ。
日本ではスカイルーフと呼ばれるパノラミック・ガラスサンルーフを標準とする室内は、6ライトの広いグラスエリアと併せとにかく開放感満点。ドライバーが気分よく運転モードに入っていける、というのがファーストインプレッションだ。最初から好感を持たせるところが、うれしい特徴のひとつとして見逃せない。もちろん、それだけではない。いざ走ってうなずけるのは、モノスペース・セダンの意味。最初はピンとこなかったが、腰高感がなく、至って自然に扱えるところに、その意味を知らされた。
正直、最初は全高の高さからして、走行フィールに多少の違和感を予想していた。それだけに、これはうれしい誤算。ロック・ツー・ロック3.3回転のパワステは、保舵力が重めでしっかり。この種のモデルとしては、適度な操舵感を持って、コーナーの連続をクリアしていく。ここで意外だったのは、ロールが気にならず、安定志向の粘り腰を見せること。タイヤは185/65R15だし、コーナリング時のスタビリティをうんぬん言うクルマではない。が、持てる性能をフルに引き出せるタイプで、だれが乗っても扱いやすく感じるはず。これは、ピカソの性格からして評価すべきことだ。おかげで、ツイスティなワインディングロードでは、予想外の快調なペースで運転を楽しむこともできた。エレクトリック・スタビリティ・プログラム(ESP)の効果も見逃せない。ただし、もちろんABSが付くが、制動力自体はいまひとつでもあった。
サスはいくぶん硬めでも乗り心地はなかなか。これは、ソフトなシートの貢献度大で、トータル的にはクオリティ面でも納得がいった。 |
2Lエンジンはトルクフルかつドライバビリティ上々 |
2L16バルブのパワーは、必要十分という感じ。パンチ力はなくても、トルクバンドが広く、アクセル開度に応じジワジワと車速を伸ばす。ハイスピード・クルージングでは余裕十分、きっちりとその実力を発揮する。いったんスピードに乗ると、平然と150km/hオーバーで快走するというタイプだ。エンジンノイズは、どちらかというと全般的にこもりがちだが、高回転でもヒステリックでないだけに、とくに耳につかない。それだけに、高速クルージングが快適だ。
Dレンジフル加速で発進すれば、2速へは60km/h、3速へは120km/hでシフトアップ。そのままでも山道ではそこそこ軽快だし、ぜいたくを言わなければパワーにも不足なし。この4速ATは、オートアダプティブプログラムを採用、ドライビング状況などにこたえ、10種類のシフトパターンを選択するという。
とはいえ、スポーツフィールを楽しもうというなら、シフトレバーを横方向にスライド、上がアップ、下がダウンのシーケンシャルシフトがいちばん。各ギヤはマキシマムでは自動シフトされるが、操作感が小気味よいだけに、MT操作のしがいがある。前述のごとく、パンチ力はそこそこでも、山道でのアベレージは速い。素直なハンドリングと併せ、ドライビングを楽しむことができるというのが、先鋭的なピカソの非凡な持ち味だ。 |
(文●横越光廣 写真●郡 大二郎) |
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●タマゴ形のモノフォルムは、どこから見てもファッショナブルでアーティスティック。ピカソのネーミングが、ピタリとはまる。6ライトグラスエリアの5ドアは明るく開放的で全方位とも視界抜群。これにサンシェード付きのスカイルーフが標準となるのだから、さわやかムードも急上昇。 |
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●クサラ・ブレークと比べると、全長がマイナス90mmなのに対し、ホイールベースはプラス220mm。そんなサイズにも、ユーティリティに優れたピカソ像が浮かび上がる。 |
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●分厚いクッションはソフトタッチだが、コシがあってサポート性がよい。いかにもフランス車的な上質感に満足させられる。リフターは有効で足もとは広々。 |
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●後席は同サイズの3座セパレートタイプ。それぞれスライド、可倒、格納、脱着可と至れり尽くせり。使い勝手には拍手だ。スペースは広く、開放感は満点。 |
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●ダッシュボードは低く、上部のトレーは便利。センターメーターをはじめ各スイッチ類は、機能的かつデザインも○。インパネシフトは小気味よく、左右ウォークスルーで広々としたもの。三角窓は有効で、シェード付きスカイルーフは開放感満点。 |
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●テールゲートはハネ上げ式。開口部は広く低床で荷物の出し入れもしやすい。通常時、トノカバーから下のスペースだけで550Lもあるのだから言うことなし。 |
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●このスペースをどのように生かそうかと考えるだけでも楽しくなってしまう。後席を取り外せばこのとおり。なんと、最大2128Lという広大エリアが生まれる。 |
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●室内は、隅々に至るまで工夫が凝らされている。リヤ床下の収納ボックスは非常に便利。 |
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●荷室左右にはふたつの収納ポケットを用意。その右側は取り外し可能なモジュボックスが。キャリア付きバスケットで、18kgの荷物までOK。 |
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●ヨーロッパでのエンジンは、1.6L、同ディーゼル、1.8L、2L、同ディーゼルの5タイプがラインアップ。日本への2L16バルブは、2500〜4100回転で最大トルクの90%を発生、4速ATとナイスマッチ。 |
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■ルージュルシフェール ■グリアルミニウム ■ブルーオリエンタル
■ベールユルルバン ■サーブルビブアック □ブランバンキーズ
※ほか6色あり |
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ピカソのサスペンション形式は、フロントがストラット、リヤがトレーリングアーム式。高品質なダンピング機能が自慢で、快適かつロールを程よく制御。イモビライザー、デッドロック機能、盗難防止コード付きオーディオのほか、リモコンでドアロックを解除しても30秒以内にドア/テールゲートを開けなければ再ロックする機能などを持つ。セキュリティをはじめ、各種機能も充実。 |
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