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CITROEN C4 |
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■発表 2005・5 |
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シトロエンらしさにあふれたC4は
日本でもブレイクの予感 |
シトロエンのアイデンティティが満載のC4
先代のクサラと比べ、格段に洗練、進化
そのスタイリッシュさにすべてが表れている |
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日本で販売されるのは1.6と2.0 |
昨年のパリ・モーターショーでデビューしたシトロエンC4は、クサラの後継モデル。プジョー307と同じプラットフォーム2を用いたシトロエンのワールドワイドカーだ。ボディはクーペとセダンの2タイプで、本国では5タイプのエンジンがラインアップと意欲的。そのうち日本には、1.6と2.0が輸入される。ミッションは4速ATが基本で、スポーツバージョンのクーペ2.0VTSだけは5速MTを標準とする。
試乗したのは、セダン2.0エクスクルーシブとクーペ2.0VTS。最初に乗ったセダンは、スタイリッシュさに見とれ、C4にかけるシトロエンの意気込みにまず感心。セダンとは言っても、ボディ型式は5ドアハッチバック。マスクのアグレッシブさとエレガントさが巧みにバランスされ、早く乗りたいという気分にさせてくれた。期待が先行するこのパターンは久しぶり。これが平均レベルだと、がっかりするパターンとなる。
最高出力は143馬力で車重は1350kg。4速ATとなれば、加速性にさほど期待はかけられない。が、Dレンジフル加速では6000〜6200回転まで引っ張れ、軽快感さえ感じた。普通に走るかぎり、2Lの上級車としては不足ないスムーズ感を発揮する。ただし、山道などでアクセルのオンオフを繰り返すと、加速レスポンスと4速ATの変速フィールに物足りなさを感じてしまう。6速ATが珍しくなくなった今、少なくとも5速ATがほしい。
それでも、高速クルージングではなかなかの実力をみせる。100km/hは4速3000、3速4000回転相当で、余裕の走りが味わえる。高速直進安定性のよさからして、ヨーロッパを走らせたらエクスクルーシブにふさわしい上質感が味わえるはずだ。 |
性格をはっきり分けたセダンとクーペ |
クーペ2.0VTSは、一転してパワフル。フル加速すれば、高回転までシャープに吹き上がる。7000回転までトルク感があり、7200回転でようやくリミッターが働くという調子だから、まわしがいがあり、快音をともなうからスポーティで気持よい。
100km/h時には5速3200、4速3800、3速5000回転とローギヤード。そのせいもあって、5速25km/hから走れる粘り強さを身につけている。ドライバビリティに優れるとともに、スポーツフィールを満喫できるというわけだ。ストロークが大きめの5速MTは軽く確実だが、少しばかり節度に欠ける。ダイレクト感があれば、言うことなしだ。
ハンドリングは、両者ともに基本的には安定志向。2.8回転のパワステに対し、それぞれ性格にふさわしい挙動を見せる。セダン2.0は、マイルドで素直な一面を見せ、クーペVTSはそこそこクイックなスポーツ性を披露してくれる。
VTSのスタビリティの高さは、205/50ZR17インチタイヤを履くだけのことはある。タイプとしては、サスストロークも十分で路面をしっかりホールド、安定感が引き立つ。少しも神経質さがなく、フトコロの深い乗用車感覚をベースとしながらのスポーティ感、そんな形容がVTSにはあてはまる。これはプジョー307のフィーリングにも通じる。
乗り心地に関しても、少しもゴツゴツすることないハイクオリティなもの。VTS、2.0エクスクルーシブともにシトロエンの注目株となるはずだ。 |
(文●横越光廣 写真●内藤敬仁) |
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●C4セダンのボディ型式は、厳密には5ドアハッチバック。シトロエンならではのグリルが強調されたマスクと、流麗なルーフラインと面構成が美しい。ダイナミックさとエレガントさが見事に調律されている。エアロダイナミズムは、開発時のひとつのポイント。セダンにしてCd値は0.29を実現。 |
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●セダンと3ドアクーペは、ホイールベースなどのディメンションはほとんどイコール。ただ、テールをすぱっとカットしたクーペのほうが、全長が15mm長いのは意外だ。スポーティなクーペのCd値は0・28。 |
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●エクスクルーシブに設定されたレザーパッケージは、高級感満点。フロントシートはヒーター&運転席パワーシート。タッチも上質。 |
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●後席は、レッグルームが断然広い。基本的にはゆったりくつろげるが、若干ヘッドルームには圧迫感も。高級さに優越感を覚える。 |
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●レザーパッケージの室内は、ブラック&ホワイトの色分けばかりか、個性的かつおしゃれなデザインが目を引く。テレスコ&チルト付きステアリングは、センター部が固定式でホイール部だけが回転する。いかにもシトロエンらしいアイデアだ。 |
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●テールゲートは大きく開き、ラゲッジルームの使い勝手もよい。トランクルームと一体化したパーティションを引き下ろせばスペースは3分割。60対40分割可倒式シートは、座面ともども折り畳めスペースを拡大できる。 |
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●2.0セダンに搭載される直4DOHC16バルブは、すべての回転域で燃焼効率を高める可変バルタイを採用し、2000回転以上で最大トルクの85%を発生。ユーロ4排ガス規準に適合する。 |
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●2.0クーペVTSに搭載される2L16バルブは、シリーズ中もっともパワフル。インテークカムシャフトにも無段階可変バルブタイミングシステムを採用。全域にわたりシャープ。 |
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■ブルー・オリエンタル ■ノアール・オブシディアン ■グリ・アルミニウム
■ルージュ・ルシフェール ■グリ・フェール ■サーブル・ド・ラングリュヌ
※ほか7色あり(特別発注色) |
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