未来的で斬新なデザインが「シトロエンらしい」と好評のC4が、日本登場から4年を迎えるところでマイチェンを実施。グリル、バンパー、ボンネットの変更でより精悍になったフロントマスク(全長は5ドアで35mm拡大)が目を引くが、心臓移植の注目度はそれ以上に高い。PSA(プジョー・シトロエン)の兄弟車である308の後を追い、BMWと共同開発した新世代機を導入。1.6Lは可変バルタイ&リフト採用の5FW型、2Lは1.6L直噴+ツインスクロールターボの5FT型に置き換えられた。
で、試したのは5FT型を積む5ドアの1.6Tエクスクルーシブ。従来型2Lの143馬力/20.8kgmから140馬力/24.5smと、トルクを大幅に強化したのが効果的で、発進からじつに頼もしい走行フィーリングを生んでいる。実用域を重視したフラットトルク型の過給設定のため、5000回転から上のパワーの伸びは穏やかだが、C4のキャラクターを考えれば納得のセッテイング。少しゴロゴロした回転フィールの低回転域を除けば、エンジンは全体にスムーズに回り、静粛性にも優れるため、Cセグメントではトップレベルのゆとりと快適性を享受できる。
ATは4速のAL4を継承。ゆえにギヤの狭間にはまりこむ場面があり、正直「多段ATがほしい」と思うこともあるが、2Lと比べてゆとりや洗練度が確実に向上したのは確かだ。上のパワーを欲張っていない分、トルクの出方が穏やかで、レスポンスも素直なため、2Lオーバーの自然吸気ユニットのようなドライブ感覚をもたらしてくれる。
シャシーに関しては、ステアリングの人工的なセンタリング感が改善され、反応や動きが全体に素直かつ自然になった点に好感が持てる。17インチを履くため低速では「乗り心地が硬め」と感じることもあるが、高速ではフラットかつ快適に変身。シトロエンらしい快適なクルージングを楽しませてくれた。
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