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JEEP WRANGLER&WRANGLER UNLIMITED |
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■発表 2007・03 |
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もはやラングラーのイメージを逸脱!
ここまで高まったオンロード性能に脱帽 |
およそ10年ぶりのフルモデルチェンジが行われた究極のオフローダー、ラングラー
見かけは伝統を継承しながらも中身は一新。新技術も満載された
ということで、その進化の度合いをチェック。はたしてその実力はいかに…… |
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およそ10年。これがラングラーのモデルチェンジ周期だ。先代のTJは97年、その前のYJは87年のデビューだった。そして07年モデルとして登場した新型だが、期待どおりの見事な進化を遂げた。
「期待どおり」という意味は、見るからにジープだということだ。ヘタな小細工は一切なく、潔くジープのアイデンティティを継承し、それを現代および未来的に具現化している。YJ、TJと乗り継いでいるジープファンの一員として、高く評価したいというか、正直ホッとしたところだ。
それはさておき、今回の進化は強烈。結論からいってしまうと、オンロード走行はもはやラングラーのイメージを逸脱する。高いボディ剛性からなる静粛性、コーナリングスタビリティ、直進安定性、快適性は一気にチェロキーを超え、グランドチェロキーに匹敵する。かなりパッセンジャーカーライクなテイストに仕上がっているという意味だ。目隠しして助手席に乗せられたら、これがラングラーとは当てられないだろう。
では、デザインから進化の度合いを見ることにしよう。
まず、フロントまわりはまんまラングラー。7スロットグリルと丸型ヘッドライト、左右の角を丸めたボンネット形状などは変わらない。今回はトレッドを広げオーバーフェンダーが張り出しているのが目につくくらいだ。これはオンロードでの安定性とタイヤの外径を大きくしオフロード性能を高める役目を果たす。そしてフラットなガラスと角度のあるピラーで全体をスクエアに形成。背面タイヤもお約束だ。
ただ、アングルを稼ぐために切り詰めるはずのオーバーハングのフロントバンパーが出っ張ってしまっている。これは欧州での安全基準に沿ったもので、輸出モデル専用だそうだ。ここは少し残念だが、後からUSバンパーを装着するなんて手もありそうだ。
さて、その下のボディ構造だが、これもまたラングラーらしくラダーフレームと結合したフルボックスタイプとなる。曲げ剛性で100%、ねじれ剛性で50%向上させた。今回はフレームの一部にハイドロフォーミング成形を用いるなどお金もかかっている。
サスペンションは、5リンク式コイルリジッドを採用。形式こそ先代と同じだが、アームやダンパーの取り付け位置などはまったく違う。トレッドが広がったことで自由度が増したのだろう。新設計の恩恵は主にオンロードで現れる。同じリジッドとはいえ、ハマーH3のようなリーフ式とはまったく別の乗り味だ。
エンジンは長年愛用されてきた4L直6がとうとう姿を消した。新型ラングラーに積まれるのは3.8L V6。60度バンクのOHVだから90度シングルカムのチェロキー用V6とは別物。ボイジャー用は同じOHVだが、FFベースなのでそれとも違うと思われる。それはともかく、スムーズで扱いやすいユニットだ。
ところで、新型ラングラーには4ドアモデルのアンリミテッドが追加されたのもビッグニュース。TJ時代もロングホイールベースは存在したが、ドアは2枚だった。その点で新型は利便性がグッと高い。オトナ5人が乗れてカーゴも使えるのだから申し分なし。
もっといえば、走りはさらにパッセンジャーカーライク。ホイールベースが伸びて安定性は高まり、乗り心地もしっとりする。アウトドア気分で普段使いも十分満足できるのだ。なので、興味のある方は是非こちらもお試しアレ。 |
文●九島辰也 写真●内藤敬仁 |
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●シート&ヘッドレストも新設計。いままでとは違う質感にビックリ。定員はラングラーが4名、アンリミテッドが5名。 |
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●トランスミッションはフロア式の4速AT。その横には副変速機用のシフトが並ぶ。1速、2速で固定できるのは常套手段だ。 |
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●ボンネットに強制的に付けられるミラーがない。なんと左ドアミラー下にカメラがあり、モニターがドアに埋め込まれるのだ。 |
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●フレームから作り替えたことでダッシュボードも新設計。なんとセンターにはモニター用スペースもあるからビックリだ。メーター、エアコン吹き出し口などは丸をモチーフにし、アイデンティティを強調する。 |
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●リヤゲートの開閉方法はいままでと同じ。背面タイヤ付きゲートを横に開き、ガラスハッチを上にあげる手法となる。 |
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●エンジンは新開発の3.8L V6OHVを搭載。バンク角は60度、アルミ製のヘッドを持つ。マックスパワーは199馬力と少々控えめ。ひとつ残念なのはレギュラーガソリンからハイオクになったことだ。 |
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■ブラック ■ブライトシルバーメタリック ■ジープグリーンメタリック
■レッドロッククリスタル ■レスキューグリーンメタリック ■スチールブルーメタリック |
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2ドアの欠点を補うならコレ!
5人乗れて荷物が積めるラングラー |
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新型にはラングラー・アンリミテッドという5ドアモデルが追加された。ホイールベースを520mm延長させたロングホイールバージョンで定員は5名。フロントシートの頭上をオープンにできる3ピース式ハードトップ(サハラ)とソフトトップ(スポーツ)の2種類が用意される。 |
新型はさらにラインアップを充実
ヘビーデューティ仕様のルビコンも……
オンロード性能を上げた新型だが、オフロードでの妥協も一切なし。コマンドトラックは進化し構造的な剛性と密閉性を高めている。4WDローレンジに入れ、ギヤボックスを1速に固定すればどこでも行けそうだ。さらに今回はヘビーデューティ仕様のルビコンもラインアップ。電子的に固定/解除するスウェーバーなど新兵器も搭載された。 |
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