 キャデラックCTSにVバージョン?日本には導入されていないが、じつは以前から存在するのだ。初代CTS-Vには、コルベットC5 Z06にも搭載された5.7L V8OHVで385馬力を発生するLS6が搭載されていた。ちなみに、当時のC5に搭載されていたのはLS1でLS6はそのハイパワーバージョンだ。ということは、新型CTS-Vには現在C6 Z06に搭載される7.0LのLS7(511馬力)が搭載されるべき、と考えるのが順当だが、ベールを脱いだ第2世代CTS-Vは驚くべきパワーを秘めたマシンだった。
ボンネットが盛り上がり、全体のフォルムが一段とアグレッシブ。このボンネットの中には、なんとスーパーチャージャーを装備した新開発LSA(6.2L V8)が収まっていた。スーパーチャージャーは通常シリンダーヘッド上に装備されるので、ボンネットが盛り上がってしまうのだ。その出力は556馬力!トルクも76.2kgmと桁外れで、0→60マイル加速は3.9秒。その加速は低速からトルクがあり強烈!では、CTS-Vが直線番長かというとそうではない。ニュルブルクリンクの旧コースで7分59秒32という4ドアセダンの記録を樹立しているのだ。
そのニュルで鍛えたハンドリングはレーシングドライバーのボクを唸らせるものだった。試乗会場は、ニューヨーク郊外の会員制サーキット。セレブが自家用機などで走りに訪れるために、15分ほど走ればローカル空港がある。もちろん、ガレージにはフェラーリやランボルギーニなどが……。
C6にも採用される可変ダンパーのスイッチをSPORTにセットすると、サスペンションはしっかりとし路面に吸い付くような感触。それでも、パワーがあるからアクセルを踏み込めばリヤタイヤが暴れる。でも、スポーツ系にアレンジしたスタビリティシステムが、しっかりクルマを安定させてくれる。欧州ハイパーセダンもうかうかしていられない。
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