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BMW 5Series |
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■発表 2004・5 |
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“BMWのワゴン”らしく、踏んで楽しいクルマ
それゆえ電子制御ステアリングが気になる |
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5シリーズに追加されたツーリングはまさしく「BMWのワゴン」です。
すなわち、それは荷室の容積をめいっぱい広く取ろうとしたクルマではなくて、セダンの屋根を伸ばしてワゴン化したときのカッコ悪さを最大限になくすべく、積載量よりもスタイリングを重視して仕立てたクルマということです。つまりモノを全開で積む人には向かないワゴンですが、その代わりに仕上げがとても高級で念入りというわけです。
もちろん、エンジンの爽快感もいっしょ。今回導入されるのは525i、つまり直6搭載車で繊細で滑らかな世評どおりの味が楽しめます。現行5シリーズはほかの欧州勢と違って、先代からどんと車重は増えてはいませんから、加速性能も先代と同レベルにキープされてます。
それだけではありません。「BMWのワゴン」は走り味にも特徴がある。BMWは、踏んで楽しいクルマにするために、ボディの後半をカッチリ硬めてきます。こうしたほうがリヤを精密にアクセルでコントロールできるから。そんなセッティングを、本来ならボディ後半が弱くなってしまうワゴンでも、セダンと同じようにキープして、同じようなハンドリングをつくろうとします。この点でも525iツーリングはBMWのお約束どおり。セダンと走りが相似形なのです。
しかし、それはすなわちアレも同じということです。例の電子制御ステアリング。猛烈に飛ばすとき以外、すなわち日常の大半のシーンでドライバーとクルマの繊細なコミュケーションを阻んでくれる、あの気持ち悪い操舵系もワゴンについてきます。向こうではこれはオプションなのに、日本では標準で、つまり買うと自動的についてくる。こればっかりは早く選べるようにして頂きたいものです。
この電制ステアの違和感は人によっていろいろだと思うので、買う前にはぜひじっくり試乗を。現行5シリーズ本来のよさは私も納得済みなので……。 |
(文●沢村慎太朗 写真●内藤敬仁) |
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●上品だった昔と一変して、強力にワルの入った印象の新型5シリーズ。ワゴンではセダンほど、そのアクが気にならないのは目が慣れたせいでしょうか。 |
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●ポジションが一発でキマるところがBMWの美点。広さは十分で、どこといって悪いところはないのですが……。このスポーツシートは馴染むまで少々時間がかかりました。 |
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●後席は当然ながらワゴンであることのネガを物理的にほぼ感じさせません。ちなみにタイヤはランフラットが標準となります。安心の代償に、乗り心地は少しスポイルされます。 |
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●現行7シリーズあたりからのBMWの内装は、ちょうどいいところを見つけたみたい。呆れるほど精緻でもなく、安っぽくもなく。 |
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●荷室容積は500L(倒せば1615L)で、ひとつ下のDセグメント勢と同程度。いわゆるスタイル重視の人向けといえます。リヤは電動で開閉可能。ガラスだけも開きます。 |
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●今回導入されるのは525iのみ。直列6気筒は依然としてスムースで味わい上質です。192馬力に6速ATで、加速性能に不満は出ないでしょう。 |
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■オリエント・ブルー ■シルバー・グレー ■ブラック・サファイア
■キアレット・レッド ■チタン・シルバー □アルピン・ホワイトIII |
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