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AUDI A6 AVANT |
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■発表 2005・06 |
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スタイリングと実用性を見事に両立
美しさを極めたアバントが登場 |
エレガントなスタイリングでベンツEやBMW5とは
ひと味違った世界を見せてくれた新型A6サルーン
待望のアバントは、それを凌ぐ存在感をアピールする |
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正常進化を果たした
第5世代のアバント |
新世代アウディを象徴するシングルフレームグリルは、現行A6セダンから導入されたもの。強烈な個性に当初は面くらったが、採用モデルが増えた現在はすっかり目になじんだ印象がある。アバントはとくに、押し出しの強いフロントと、量感を増したリヤボディとのバランスが良好。新型アバントの印象は初対面から○だった。
で、まずはベースグレードの2.4から試すことに。走り出した瞬間、思わず顔がほころんだのはステアフィールの改善だ。初期ロットのセダンと比べると、中高速域の操舵の手ごたえ感や反応はグッと自然になり、サーボトロニック(車速感応式パワステ)の悪癖は解消。それが、クルマとの一体感、走りの安心感を大きく改善する方向に作用しているのだから、A6の着実な進化・改良は見逃せない。
なら、2.4L+マルチトロニック(CVT)とアバントの組み合わせは? 車重はセダン+40kgの1730kgに達するが……CVTがエンジンの力を効率よく引き出すため、高速走行や追い越し、峠の上りという場面でもかったるさを感じさせることはない。高負荷域ではさすがにエンジン音量が高まるが、クルーズ時の静粛性は高級ワゴンにふさわしいもの。総合的に見ても満足できる能力を持つ。
ただし、走りの力強さ、スポーティさを求めるとなると、オススメは3.2クワトロ以上のモデルとなる。排気量の余裕に加えて、3.2LはFSIを採用するため、2.4Lと比べると全域で2ランクはパワフルな印象なのだ。バンク角90度のアウディV6は、回転の滑らかさに関しては際立つレベルにはない。が、高回転でもトルクカーブの落ち込みが少ないスポーティな性格で、活気ある走り味を演出。 |
3グレードとも
独自の走りを披露 |
スタビリティの高さ、ハンドリングの正確性も2.4とはひと味違う。16インチ55タイヤを履く2.4は、アンダーステア傾向が明確な安定指向のシャシー設定。対する3.2クワトロは、適度に締め上げたサスに17インチ50タイヤを装着し、回頭性やコントロール性をグッと引き上げている。クワトロだから安定性やトラクション性能も一級。超高速クルーズや峠のスポーツ走行なども余裕を持って対応する。
そこで迷うのは、32万円のアダプティブエアサスペンションを選択するか、否か。基本的な能力、操安性と乗り心地のバランスはメカサスで不満なし。「ワゴンとしての能力をフル活用したい」という人には、自動車高調整機能も備える電制サスをオススメするが、コストバリューならメカサスだ。
そして、最後はシリーズ最強の4.2クワトロに注目。335馬力/42・8kgmがもたらす走りのパワフルさ、クルージングのゆとりと静粛性は「さすが4.2L V8!」と思わず唸らされるレベルにある。
しかもノーズの重さは意識させず、スポーティなフットワークも提供するのだから恐れ入る。さらに乗り心地も。4.2クワトロは245/40R18タイヤを標準で履くが、それでも直接的な硬さは伝えず、快適性も十分なレベル(標準のアダプティブサスも貢献)。
高度な操安性、重厚かつ快適な乗り心地はシリーズに共通する美点で、セダンとの格差は一段と縮小した印象。ボディ剛性の大幅強化など、骨格からの進化がそこでものを言っている。加えて、自慢の質感や実用性もレベルアップ。新型の投入で、A6アバントは高級ワゴン戦線の先頭に躍り出た。 |
文●森野恭行 写真●犬塚直樹 |
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●実用ワゴンとは一線を画す、スタイリッシュなリヤビューはアウディ・アバントの伝統的なデザイン。流麗なルーフライン、傾斜を強めたDピラーなど……いち段とスポーティかつダイナミックになったフォルムがこの新型の見どころだといえる。 |
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●先代比でホイールベースを80mm、全長を130mm、全幅を45mm拡大した3サイズを持つボディは、Eセグメントワゴンのなかでも抜群の存在感を誇る。 |
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●くつろぎと安心のドライブを約束する前席。メモリー付きパワーシート、電動チルト&テレスコステアリングを装備し、ドラポジもピタリと決まる。 |
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●広さは文句なし! セダンよりも余裕を増した頭上高も見逃せないポイントだ。本革シートは4.2クワトロに標準、3.2クワトロと2.4にオプション設定。 |
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●ドライバーズカーであることを強調するコクピットタイプのインパネは、視認系と操作系を機能的にレイアウト。アウディだから当然、クオリティや高級感はクラスのトップ。贅沢なウォールナットパネル&アルミトリムを全車に標準装備! |
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●565〜1660Lの荷室容量はクラストップレベル。60対40分割の可倒機構に加えて、アイデア満載のフィックスキットを新採用することで、積載性と多用途性を確実に進化させた。 |
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●歴史ある縦置きレイアウトを継承。3.2L V6(正確には3122cc)は先進のFSI(直噴ガソリン)を採用。6速AT+クワトロのコンビで、高度なパフォーマンスを引き出す。 |
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■シルバーレイクメタリック ■ファントムブラックパールエフェクト ■ノーザンライトパールエフェクト
■アトラスグレーメタリック □アークティックホワイト ■キャニオンレッドパールエフェクト
■ディープグリーンパールエフェクト ■ダカールベージュメタリック
※ほか2色あり
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新型A6はハイテクも自慢。ティプトロニックパドルスイッチ(2.4はオプション)や電気式駐車ブレーキはその代表。DVDナビ、テレビ、ラジオ、電話、車両設定……の表示機能と操作系を一体化した、アウディ肝いりのMMI(マルチメディアインターフェイス)も全車標準だ。機能の選択と決定は、シフトレバー後方のダイヤルとスイッチで行う。多彩な機能を持つだけに、使いこなすにはそれなりの習熟が必要。 |
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