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BERTONE PRIDE NEXT CHALLENGE FOR A GREAT MASTER IN THE INDUSTRIAL DESIGN |
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いまミニバンを取り上げたカロッツェリアにみる流行 |
イタリアと言えばカロッツェリア。数々のカロッツェリアがひしめくが、なかでもベルトーネ、ピニンファリーナ、そしてジウジアーロが3大メジャーだ。そしてベルトーネとピニンファリーナはすでに小さな自動車メーカーというレベルにある。
つねに世界のデザインをリードしているカロッツェリアのように感じるが、じつはたしかにデザインでは世界をリードしていると思うし、世のなかに新たな兆候を感じさせているが、その新作のベースとなる車両は意外とコンサバティブなのもたしかなのである。たとえば、すでに生産が決まり、イタリアでいちばん注目を集めているジウジアーロデザインのアルファロメオ・ブレラや、毎回美しいという形容詞しか見あたらないピニンファリーナの作品。しかし、どちらも古典的な時代からのクーペだったり、スポーツカーだったりと、大きな意味での器はじつは変わっていない。強いて言えば、ジウジアーロがデザインしたパンダやゴルフはセンセーショナルなモデルだったが、欧州でいちばん市場が大きな小型車のなかに新たな潮流を作ったことがセンセーショナルだったわけだ。
で、今回東京モーターショーで見つけたのが老舗カロッツェリアであるベルトーネの作品「ヴィラ」。彼らが目に付けたのはミニバンだった。ベースはキャデラックのSRX。これをベルトーネ流に解釈して、見事に広い空間を持つミニバンに仕立てたのである。さらに快適装備も充実していて、ボーズ・サラウンドシステムはもちろんだが、なんと天井にプロジェクターが組み込まれていて、フロントの24インチもあるスクリーンに映像を映し出す。ここまでくると、すでに車内が映画館というレベルだ。そして、シートがえらく薄く作られていて、結果的に室内空間はSRXと比較して驚くほど広い。
今回、来日したマーケティングディレクターのロベルト・ピアッティさんに話を聞いたところ、「現在、クルマに求められている価値観は大きく変化していて、それを真摯に受け止めたコンセプトカーがヴィラなのです。我々が気にしたのは感性に訴える心地よさです。デザインだけでなく、シートの素材ひとつとってもさわり心地がよい。オーディオもそうです。我々が求める耳に心地よいサウンドを実現するのがボーズでした。以前は、美しいだけ、エンジン音だけで勝負になりましたが、現代に求められているのは、もっとリラックスであったり、癒しであったりするのだと思います」
たしかに、世のなかこれだけミニバンが増えればカロッツェリアもその市場を無視できない。現実にヨーロッパでは急速にミニバンの人気が高まっている。日本では車内こそ贅沢な部屋という感覚が人気だが、どうやらその潮流は、カーナビに次ぐ、次の世界トレンドになるのではないだろうか。 |
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BERTONE VILLA ベルトーネ・ヴィラ |
オーディオメーカーとして世界的に名高いBOSE社とのコラボレートで誕生したコンセプトカー。じつはBOSEとのコラボ車両はヴィラで5台目になる。ベース車両はキャデラックのSRXだが、ベルトーネとしては、車内空間は大きな車両でなくとも広く取ることができることを証明すべく、あえてSRXをベースにしたという。その手法はインパネ部分やシートのクッションと骨組み部分を薄くすることで、足もとのスペースを広くとるというもの。さらに、快適性を高めるものとして24インチのスクリーンをダッシュボードに設置、これを天井に埋め込まれたプロジェクターから映像を映し出すことで、車内空間とは思えない映像と音声を堪能できる。リヤシートはラウンジをイメージしている。 |
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