- 4ドアモデルでもキレた走りは健在
- これまで4ドアのM3はスチール製のルーフで2ドアクーペにCFRP製(カーボン)のルーフが奢られていた。しかし、新型からは4ドアモデルにもCFRP製のルーフが採用されるようになった。ルーフの軽量化によって重心位置が下がりコーナーリングのフットワークが向上する。ほかにもサスペンションの多くにアルミ材のパーツを多用するなど約80kgもの軽量化を達成している。ストラットタワーバーもCFRP製でわずか1.5kgの重量だ。
BMW M3セダン(7速AT・M DCTドライブロジック) | |
全長×全幅×全高: | 4685×1875×1430mm |
車両重量: | 1640kg |
エンジン: | 直6DOHCターボ |
総排気量: | 2979cc |
最高出力: | 431ps/5500-7300rpm |
最大トルク: | 56.1kg m/1850-5500rpm |
新車価格: | 1104万円(全グレード) |
サーキットで見せつけた「走り」への圧倒的な自信
M3がフルモデルチェンジ、そしてクーペモデルのM4が追加された国際試乗会は真夏を思わせる太陽の下ポルトガルで行われた。
ニューモデルのM4は、これまでのM3クーペの後継車だ。今回、M3は4ドアセダン専用モデルとなり、M4およびM4カブリオレが2ドアモデルとなる。
まず注目なのが、先代M3で姿を消していた直列6気筒エンジンの復活だ。新しいM3&M4にV型8気筒エンジンは採用されない。
これはダウンサイジングが主なねらい。新開発3.0L直噴の直列6気筒DOHCエンジンにはシングルスクロールのターボチャージャーが2基、そしてバルブトロニック&ダブルバノスが採用され、その出力は431馬力と先代に搭載された4.0LV型8気筒エンジンの420馬力を11馬力上まわっている。そして、最大トルクは40%近く大幅に向上していて56.1kgmを1850〜5500回転という広範囲で発生する。
トランスミッションは6速MTとツインクラッチの7速DCT。今回の試乗は7速DCTのみだったが、日本市場にはM4に6速MTが導入される予定。もちろん7速DCTは両モデルに設定されている。これらのシステムによって0→100km/h加速はM3&M4共に4.1秒と大幅に加速性能が向上している(7速DCT)。中速トルクを重視しているからその加速は低速域からズン!と背中を押される力強さ。
サーキット試乗ではアンダーステアーが少なく、リヤサスペンションをボディ直付けとしているので素晴らしいグリップ感。さらにEデフ(電子制御ディファレンシャル)の採用で駆動輪であるリヤのトラクションが高く、パワーをしっかり路面に伝えてくれる。
テーマはサーキット性能の向上と言いきるところにBMWの走りに対するこだわりが感じられる。
- BMWブランド随一の
トップアスリート - M4のデザインで目につくのがリヤビュー。スポイラー一体型のリヤ・トランクリッドはCFRP製で、単体でも手で持ち上げられるほどに軽量だ。エキゾーストにはフラップが採用されていて、高回転域とスポーツモードにしたときに音質が大きくなり素晴らしいレーシングサウンドが響き渡る。そんな走り重視のつくりだがアイドリングストップ機構を備え燃費・エコ性能共に約25%向上しているという。エコモードではコースティングも行う。
BMW M4クーペ(7速AT・M DCTドライブロジック) | |
全長×全幅×全高: | 4685×1870×1385mm |
車両重量: | 1610kg |
エンジン: | 直6DOHCターボ |
総排気量: | 2979cc |
最高出力: | 431ps/5500-7300rpm |
最大トルク: | 56.1kg m/1850-5500rpm |
新車価格: | 1075万〜1126万円(全グレード) |
- ポテンシャルの高さが伝わるグラマラスなルックス
- 究極のエレガントスポーツ
- サーキット走行を可能とするハイパフォーマンスだけでなく、市街地を優雅に流せるアーバンラグジュアリーとしての性格も併せ持つM6クーペ/カブリオレ。通常の6シリーズよりもスポーティな出立ちが、さらに高級感を醸し出す。
BMW M6 クーペ(7速AT・M DCTドライブロジック) | |
全長×全幅×全高: | 4905×1900×1375mm |
車両重量: | 1910kg |
エンジン: | V8 DOHCターボ |
総排気量: | 4394cc |
最高出力: | 560ps/6000rpm |
最大トルク: | 69.3kg m/1500-5750rpm |
新車価格: | 1760万円〜1827万円(全グレード) |
- Mであるために
- BMWのアイデンティティである「走りのクオリティ」を
極限まで追求したモデルが「M」なのだ
- 究極を目指した30年「M5の系譜」
- こだわりブランドが
妥協なしに打ち込む情熱の結晶 - 長年にわたるモータースポーツ活動により培ってきた技術が積極的に投入されるMモデル。すべてが、超高性能エンジンと卓越したスポーティな足まわりを与えられ、ドライバーに濃密なドライビングタイムを提供してくれる存在だ。そして、なかでも「M5」は、Mの顔として、ダイナミックな走りと優雅さや快適性も兼ね備える希有な存在。世界中の自動車好きから羨望の対象となっている。現行で5世代目、今年で30周年を迎える足跡はまさに、BMWによる崇高な「究極の走り」への挑戦の歴史となっている。こだわりが凝縮されたハイテクモデルはいまも輝き続ける。