- 大胆な軽量化による劇的なレベルアップ
- 高級SUVの代名詞でもあるレンジローバー。先代比で400kg以上もの軽量化が図られたのだから走りがよくなっているのは当然だが、実際に乗ってみると期待以上の仕上がり。タイヤの転がる感覚、サスペンションのきめ細やかなストロークなど、あらゆる動きがスムーズでこの上なく快適なのだ。ブランド力だけではなく、本当の高級な乗り味とは何なのかを教えてくれる存在でもある。砂漠のロールスロイスという形容がいまもしっくりくるのだ。
レンジローバー 5.0 V8 スーパーチャージド ヴォーグ(8速AT) |
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全長×全幅×全高 | 5005×1985×1865mm |
ホイールベース | 2920mm |
トレッド前/後 | 1690/1685mm |
車両重量 | 2550kg |
エンジン | V8DOHCスーパーチャージャー |
総排気量 | 4999cc |
最高出力 | 510ps/6500rpm |
最大トルク | 63.8kg m/2500rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/ダブルウィッシュボーン |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前後 | 275/45R21 |
新車価格 | 1265万円〜1810万円 (全グレード) |
革新的なマインドを持つSUVの老舗ブランド
1948年に4WD専門メーカーとして歩みを始めたランドローバー。21世紀に入ってから雨後の竹の子のごとくプレミアムSUVが生まれ、いまや一大カテゴリーにまで成長しているが、そんななかでランドローバーは別格といえる支持を受けている。それはどんなモデルでも専門メーカーとしてオフロード性能へこだわり続け、伝統に裏打ちされるブランドへの信頼感があるからだ。
いまどきのプレミアムSUVはユーザーの声を反映してオンロード性能重視のモデルが多い。ランドローバーはおいそれと流されるポピュリストではないが、アルミ・モノコックによる大幅な軽量化、元来英国車が持つ高度なサスペンション技術によってオンとオフの両立を実現。ワインディング・ロードを驚くべきスピードで駆け抜けるなんてことも涼しい顔でこなしてしまう。
さらに近年ではデザインにも進化がみられる。伝統的なブリティッシュという趣から脱却して攻めの姿勢でイノベーション。プレミアムSUVの王者として死角のない完璧な存在感を見せつけているのだ。
- PROFILE
- 自動車ジャーナリスト
- 石井昌道
- ●レースの参戦経験を持つ自動車ジャーナリスト。日々、国内外で行われるニューモデルのテストドライブへ精力的に赴き、ステアリングを握る。専門誌、一般誌でも人気だ。
- 驚きの「欲張りな走破性」
- ●世界トップのオフロード性能を誇ることに疑いはないが、最近では砂地、岩場、滑りやすい路面などモード切替式のテレイン・レスポンスによってだれもが簡単に最適な性能を引き出せる。エアサスも進化を促す重要アイテムだ。
- レンジローバーの風格と
スポーティさを併せ持つ - オンロードでのスポーティさを強調したモデルとして2005年に登場し、昨年には2代目へとモデルチェンジされた。従来はディスカバリー3とプラットフォームを共有していたが、現在は4代目レンジローバーとの共同開発で上級移行を果たしている。アルミモノコックの採用によって最大240kgもの軽量化がなされ、サスペンションやスタビライザーが可変式となっている。そのため、快適性とスポーツ性の両立もハイレベルで達成されている。
ランドローバー レンジローバー スポーツ HSE(8速AT) |
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全長×全幅×全高 | 4855×1985×1800mm |
車両重量 | 2310kg |
エンジン | V6DOHCスーパーチャージャー |
総排気量 | 2994cc |
最高出力 | 340ps/6500rpm |
最大トルク | 45.9kg m/3500rpm |
タイヤサイズ前後 | 255/55R20 |
新車価格 | 821万円〜1296万円 (全グレード) |