セーフティの老舗が挑む新たな概念の安全技術
安全性といえばボルボ。信頼はいつの時代も不変だが、セーフティの中身は絶えず進化を続けている。かつてのボルボはパッシブセーフティ、つまりは優れた衝撃吸収ボディや先進のエアバッグ技術などで評価される例が多かった。事実、現行V40ではじめて実用化した歩行者用エアバッグは大きな話題を集めたが、近年はそれ以上に、ドライバーサポート技術で評価を得ている例が多い。
低速走行における追突の危機を回避、もしくは被害軽減を図る「シティ・セーフティ」や、歩行者や自転車との事故を未然に防ぐことを目的に開発された「ヒューマン・セーフティ」の技術は、すでに広くユーザーに認知されている。ミリ波レーダー、カメラ、赤外線レーザーと、それぞれの得意分野を持つ複数の監視の目を組み合わせるのがボルボ式で、高度な機能を実現している。
追突事故の原因は約93％が前方不注意で、しかも事故を起こした運転者の約47％は回避行動をとっていないというデータがある。そんな不注意やミスをフォローしてくれるのが、オートブレーキの「シティ＆ヒューマン・セーフティ」というわけだ。
これにBLISやCTAなどの技術も加えて、ボルボは「セーフティ・パッケージ」としてシステム化。現在、積極的に標準化を進めている。
- PROFILE
- 自動車ジャーナリスト
- 森野恭行
- ●圧倒的な試乗経験と膨大な知識で、「歩く自動車辞典」と呼ばれる自動車ジャーナリスト。新車から20年以上を経たポルシェ911（964）を所有。
