1974年に登場して以来、一貫して、高いクオリティと機能性、優れたコストパフオーマンスを世界中に示してきたゴルフ。
7代目ゴルフが示したクオリティは世界中に衝撃を走らせた。世界基準を引き上げるという、その任務はまた達成された。
文●九島辰也
フォルクスワーゲン ゴルフTSIハイライン(7速DSG) |
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全長×全幅×全高 | 4265×1800×1460mm |
ホイールベース | 2635mm |
トレッド前/後 | 1535/1510mm |
車両重量 | 1320kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1394cc |
最高出力 | 140ps/4500〜6000rpm |
最大トルク | 25.5kg m/1500-3500rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/4リンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 225/45R17 |
新車価格 | 249万〜299万円 (GTI除く全グレード) |
他ブランドだけでなく先代も乗り越える使命
振り返ると昨年のゴルフは物凄かった。輸入車初の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのはご存知のように、年初から海外ではアワードを受賞しまくり。欧州カー・オブ・ザ・イヤー、そしてワールド・カー・オブ・ザ・イヤーもそう。まさに大きな賞を総なめといった感じだ。ほかにもお膝元ドイツのザ・ベスト・カー・オブ2013なんてのも受賞しているし、もっといえば、日本でグッドデザイン賞も獲得した。
受賞要因はいろいろあるが、これらの受賞歴からも多岐にわたっているのがわかる。クルマの専門家による高い評価ばかりか、デザインの専門家による目線でも支持を得ている。また、クルマの専門家といっても、ところ変わればなんとやら。それぞれの地域や道路環境で評価軸が異なるのはいわずもがなだ。
という観点から鑑みると、まさに全方位的によくできていると言わざるを得ない。走行性能から環境対策までを網羅していることになる。
インテリアの仕上がりもそうだ。「走りはいんだけど、この内装はないだろ〜」ってクルマはけっこうある。クルマはエクステリアデザインにばかり目が向けられるが、ドライバーが目にするのはインテリアの方が時間が長い。つまり、そこを怠っては元も子もなくなるのだ。その点、ゴルフの室内はいい。シンプルながら味わいがあり、さらにクラシカルな雰囲気も漂って往年のゴルフファンにも刺さる。「これなら前の方がよかった」とはならない。
そう、ここが肝心。ゴルフはまさにコンパクトカーのベンチマーク。つまり、その仕上がりがライバルの進化を生むと言っても過言ではない。と同時に、先代モデルもライバルであることが重要なカギとなる。その意味じゃハードルは高い。
なので、それを超えたことも高く評価された一因。「ゴルフはいいに決まってる」のを超えるのは至難の業。いやぁ、厳しそう。生まれ変わってもゴルフの開発担当者にはなりたくない……。
- 前とカタチがあまり変わって
いないみたいですが? - 揺るぎないスピリットが
込められた確たる造形美 - 7世代目となった新型だが、どこからみてもゴルフとわかるデザインを持つ。そう、これが大事。ロングセラーモデルだけに大きなデザイン変更は命取りになりかねない。
ただ、それでも進化は必要。ということで、全体をモダンに仕上げながら太いリヤピラーなど、初代をモチーフに取り入れた。つまり、“らしさ”を散りばめたのだ。
手がけたのはVWグループのデザインを統括するワルター・デ・シルヴァ。多くの賞を得たことからもわかるように、彼のデザインは成功した。
- 立派になったいまも
お買い得でしょうか? - 偉大なる由縁は価格を超えた品質
- 「最近のクルマはどれもデカい」なんて言葉を耳にする。ゴルフも例に漏れず、初代から比べてとグンと大きくなった。その理由は衝突安全性に関係する。考えてみてほしい。横からの衝突に耐えるのはドアを厚くしそこにビームを通すしかない。なので、全幅はそれなりにならざるを得ない。そのためフォルクスワーゲンは、初代のサイズ用にはキャビンを小振りにしたポロを用意した。
で、ゴルフはというとゴージャスさも加味。イマドキはコンパクトカーとて高級感は要求される。小さいクルマは安くてつくりもチープ、なんてのは昔の話。それじゃ質感ある新型は値段が跳ね上がったのかといえばそうではない。つまり、お値打ちなのだ。
- 不変のフィロソフィー
- 下の写真をご覧いただければわかるように、ゴルフの伝統的なデザインアイコンはこの太いリヤピラーに他ならない。ここがデザイン的な“らしさ”であり、全体的なフォルムの中で個性を発揮する。もっといえば、それに合わせたリヤウインドウの大きさ、テールランプやバンパーの位置と形状もそう。それらが関連してゴルフを生み出すといってもいい。おもしろいのはフロントピラー。リヤに相反するように角度はモデルごとに変わる。新型はかなり角度がついているが、これはエアロダイナミクスの観点から計算されているのだ。
フォルクスワーゲン ゴルフGTI(6速DSG) | |
全長×全幅×全高 | 4275×1800×1450mm |
車両重量 | 1390kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1984cc |
最高出力 | 220ps/4500〜6200rpm |
最大トルク | 35.7kg m/1500-4400rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/4リンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 225/45R17 |
新車価格 | 383万3000円 |