- PROFILE
- 自動車ジャーナリスト
- 九島辰也
- ●男性ファッション誌副編集長を経験するなど、ファッションにも造詣が深い自動車ジャーナリスト。
ブランドの凄さが伝わるA3のハイクオリティ
グーグルアースにストリートビュー、そして最大8台までの無線LAN機能……。そんなワードがアウディA3スポーツバックのプレスリリースには踊っている。時代といえばそれまでだが、業界のトップランナーであるアウディにはぴったりの内容だ。
新しくなったA3スポーツバックは見た目こそそれほど変わっていないが、サイズからもわかるように中身は新世代へと進化している。全体的に若干大きくなりホイールベースも伸びた。とはいえ、それは肥大化したのではなく、なんと重量は減り最大60kgのダイエットに成功。「アウディ・ウルトラ」と称す軽量化技術がそれを可能にしたといっていい。
そして冒頭に記したのが、「アウディ・コネクト」という技術。資料によれば、空港のフライトインフォメーションや駐車場、ガソリンスタンド情報まで入手できるらしい。なるほど、かなり実用的ではないか。
それじゃクルマ自体はどうなのかといえば、2つのグレードを試乗した範囲では気持ちのいいドライブとなった。122馬力の1.4Lエンジンもそうだし、1.8Lのクワトロもそうだ。ボディ剛性が高くサスペンションの設定が決まっているので、クルマとドライバーの一体感を強く感じる。まさにコンパクトハッチには理想的なハンドリングともいえる。
とくに1.8Lはパワーに余裕があるため高速道路ではミッドサイズセダンに通じる走りを見せた。この高級感はただ者ではない。それにこちらはクワトロなので路面状況にとらわれずスポーティな走りもできる。確実にクラスを超えた仕上がりである。