欲しいクルマが決まっても、ロクに下調べもせずに飛びついたら、あとで落とし穴にハマっちゃうことがあるのが中古車の世界。そんな失敗をしないためにも、ちょっと賢くなる必要がありそう……。
自動車ジャーナリスト 森野恭行 Yasuyuki Morino ●豊富な試乗経験とたえまない研究で、つねにユーザー目線に立った試乗レポートを提供する自動車ジャーナリスト。ミニバンからスポーツカーまで守備範囲は広い。
自動車ジャーナリスト 九島辰也 Tatsuya Kushima ●購入後のライフスタイルの変化までを視野に入れた評論に定評のある自動車ジャーナリスト。ゴルフやサーフィンなど、多種多様な趣味を活かし、コラムなども執筆。
新型が登場したものの、先代モデル(E60)の魅力は変わらない。03年デビューだが個性的なデザインのおかげで古さは感じさせない。エンジンバリエーションも豊富で、日本では直6、V8を搭載。ステーションワゴンも用意される。質感の高さはもちろん、走りの楽しみを味わえるドライビングサルーンだ。 傾向は台数豊富な525i、そしてV8モデル(545i、550i)は新車からの値落ちが大きいことが挙げられる。また、18インチ+スポーツサスを装着したMスポーツパッケージは、そのほかのモデルに比べて、やや高値。それらを踏まえてチェックしたい。 ●参考中古車価格 2006年モデル BMW 530i(6速AT)●全長×全幅×全高:4855×1845×1470mm ●車両重量:1650kg ●エンジン形式:直6DOHC ●総排気量:2996cc ●最高出力:258ps/6600rpm ●最大トルク:30.6kgm/2500〜4000rpm ●サスペンション前/後:ストラット/インテグラルアーム 新型はさらに進化を遂げたが、先代モデルのパフォーマンスもまだまだ一級。アクティブステアリングに関しては賛否両論あるが、ラグジュアリースポーツの地位は揺らいでいない。パワーとバランスを考慮すると530iに注目か。Mスポーツパッケージはお好みで。
新車、中古車問わず人気が高いEクラス。人気の秘訣は、なんと言っても上質なドライビングフィールと高いブランド性。もちろん、内外装もプレミアムサルーンに相応しい仕立て。そして特筆すべきがクリーンディーゼル搭載モデルの設定だ。先代型は親しみやすい楕円形ヘッドライトも万人受けする!? 台数が充実しているため、中古車選びのハードルは高くはないが、V6、V8、ディーゼル、前期、後期など、異なるテイストをしっかり説明しているショップで納得して購入したい。 ●参考中古車価格 2007年モデル メルセデス・ベンツ E350アバンギャルドS(7速AT)●全長×全幅×全高:4880×1820×1465mm ●車両重量:1710kg ●エンジン形式:V6DOHC ●総排気量:3497cc ●最高出力:272ps/6000rpm ●最大トルク:35.7kgm/2400〜5000rpm ●サスペンション前/後:4リンク/マルチリンク 高級車の定番らしい安心感が魅力。穏やかな走り味を好むなら、ダイレクトコントロール導入以前の前期型。とくにエレガンス系モデルは味わい深い。また、スポーティな走りを好むなら後期型のアバンギャルドが適任。あとは忘れてはならない新世代ディーゼルのE320CDI。こちらはロングドライブ派にうってつけ。引き出しの多さがEクラスだ。
新車販売台数ナンバーワンを誇るゴルフ。実用的なハッチバックだが、機械としての造り込みは超一流。それがユーザーの心を惹きつけてやまない。また、「GTI」をはじめとするスポーツモデルも人気。走り好きのファンも納得の性能を持つ。 まずは燃費とバランスに優れたTSI系にするか、スポーティなGTIおよびR系にするかが大きな分かれ道。また、こちらもほぼすべての物件が新車保証内と思われるため、装備や走行距離に気を配りたい。 ●参考中古車価格 2009年モデル フォルクスワーゲン ゴルフ GTI(6速AT・DSG)●全長×全幅×全高:4210×1790×1460mm ●車両重量:1400kg ●エンジン形式:直4DOHCターボ ●総排気量:1984cc ●最高出力:211ps/5300〜6200rpm ●最大トルク:28.6kgm/1700〜5200rpm ●サスペンション前/後:ストラット/4リンク Cセグメントのベンチマーク。ゴルフYはXのビッグマイナー版ともいえるが、それだけに完成度はすこぶる高い。GTIやRの存在も見逃せない!
新しいこともあり、台数の少ない現行A4。多い順から1.8→2.0→3.2となっている。ほぼすべての車両が新車保証内の物件ということもあり、価格との折り合いをどうつけるかが勝負。 ●参考中古車価格 2009年モデル アウディA4 2.0TFSIクワトロ(7速AT・Sトロニック)●全長×全幅×全高:4705×1825×1440mm ●車両重量:1510kg ●エンジン形式:直4DOHCターボ ●総排気量:1984cc ●最高出力:211ps/4300〜6000rpm ●最大トルク:35.7kgm/1500〜4200rpm ●サスペンション前/後:5リンク/トラペゾイダル 内装のクオリティーの高さはクラス随一。アウディらしい4駆ならではの安心感を追求するなら2.0TFSI、コストバリューなら1.8TFSIがお薦め。
BMW 3シリーズとガチのライバルだが、Cクラスのほうが新しいため数は少なめ。しかし、秋に丸3年を迎えるため、少しずつその数も増えつつある。丁寧に扱われた1台を選びたい。 ●参考中古車価格 2008年モデル メルセデス・ベンツ C200コンプレッサー アバンギャルド(5速AT) ●全長×全幅×全高:4585×1770×1445mm ●車両重量:1490kg ●エンジン形式:直4DOHCスーパーチャージャー ●総排気量:1795cc ●最高出力:184ps/5500rpm ●最大トルク:25.5kgm/5000rpm ●サスペンション前/後:3リンク/マルチリンク どんどん大きくなるモデルたちのなかで、全幅1770mmをキープしたCクラスの美点は計り知れない。グレード問わずに、それぞれがお薦めできる。
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