理性を吹き飛ばす、爽快な魅力の持ち主
僕自身ひと度触れた瞬間からベタ惚れし、思わず購入してしまったのがこのアルファロメオ・ミト。自動車ジャーナリストなら時代を読んでハイブリッドを買うべきだが、そんな理性を簡単に吹き飛ばすほどの魅力がこのクルマにはあった。
ミトはクラスでいえばBセグとCセグの中間。ヴィッツとゴルフの間といえばわかりやすいだろうか。ライバルはほぼ不在で、MINIが唯一近い。つまりコンパクト・ハッチに属しながらもスペシャリティの香り漂う、カタギじゃない"存在だ。
何が理性を失わせるかといえば走りに尽きる。日本のコンパクトカーでは絶対に味わうことのできない、痛快で超絶に気持ちよい走りが日常域から存分に味わえる。1.4Lのターボ・エンジンは普段使いで扱いやすく燃費も悪くないながら、回せばホントに1.4L?と思えるだけの力強さも見せつけてくれる。
しかし何よりよいのは足まわり。ハンドルを切ったときの姿勢が、日本のコンパクトカーを随分と退屈なものに思わせる。別に取り立ててスポーツ性が高いわけではないのに、不思議と夢中になれる魔法の味つけがなされている。しかも、攻めたらお尻を滑らすことも厭わない積極的なハンドリングを持っているのだ。
もちろん、そこまで走らせなくともデザイン的なカタギじゃなさ"も存分に味わえるあたり、すでにほかとは一線を画す。すべてが常識を覆すスーパーハッチ、なのだ。