キャデラック＆ハマー＆リンカーン＆フォード＆クライスラー＆ダッジ＆ジープ インポートカースーパーカタログ2009

100年以上の伝統に裏打ちされた老舗

　GMのなかで最高位となるブランドがキャデラック。日本ではほぼすべてのモデルが導入されており、ミドルクラスのCTS、アッパーミドルのSTS、フルサイズのDTSのパッセンジャーカー、SRX、エスカレードのSUV、スポーツカーのXLRがラインアップされている。なかでも08年モデルで新型になったCTSは、欧州プレミアムブランドに引けをとらない完成度を誇る。またCTS、STS、XLRには高性能仕様のVシリーズも存在する。

軍用車がルーツの個性派オフローダー

　AMジェネラル社の軍用車であるハンビーを、一般向けに仕立てて販売されたのがハマーブランドのはじまり。現在はH1が生産を終え、フルサイズのH2、ミッドサイズのH3の2車種で展開されている。H2は、GMのフルサイズSUVのなかで唯一の旧世代シャシー（GMT800）を採用するモデルだが、存在感という点ではほかのフルサイズSUVとは比べ物にならない。H2は6. 2L V8OHV、H3は、3.7L直5と5.3L V8が搭載される。

国内導入率は低いが歴史あるモデルが多い

　日本でもっとも認知度が高いGMブランドと言えるのがシボレー。ただし、本国で用意されるラインアップの半分も日本に導入されていない。国内で買えるのは、コンパクトモデルのHHR、ミドルクラスSUVのトレイルブレイザー、フルサイズSUVのタホ、伝統あるアメリカンスポーツのコルベットの4車種のみ。イメージを牽引しているのはコルベットで、6.2L V8と7. 0L V8（Z06）の2つの心臓が用意されている。

フォード日本が正規導入するプレミアムブランド

　フォードジャパンは、滞っていたリンカーンの正規導入に本腰をあげた。その先駆けとなったのが、フルサイズSUVのナビゲーター。本国ではフォード・エクスペディションの姉妹車となり、質感高い内装が魅力のモデル。そして同社初のモノコックボディを採用したSUV（フォード流だとCUV）のMKXがこれに続く。マツダ・アテンザと共通のCDプラットフォームを採用し、乗用車ライクな乗り心地を持ったプレミアムクロスオーバーだ。

欧州フォードが撤退しするプレミアムブランドアメリカンSUVに注力

　フォーカスやモンデオなど、欧州製ラインアップの国内導入を08年春から中止し、本場のアメリカ製のみを取り扱うことになったフォード。現在のモデル体系は、スペシャリティのマスタングに加え、SUV系のエスケープ、エクスプローラー、エクスプローラー・スポーツトラックの全４車種。うちエスケープのみが台湾製で、北米仕様とはボディが異なる。ブランドイメージを牽引するのはやはりマスタング。豪快な走りが大きな魅力。

クラシカルなデザインでブランドイメージを統一

　旧き良き時代を思わせるクラシカルなデザインのモデルで成功を収めたクライスラーブランド。GMやフォードとは異なり、セダンやワゴンの導入にも力を入れている。現在は、コンパクトのPTクルーザー、フルサイズセダンの300Cとそのワゴン300Cツーリング、ミニバンのグランドボイジャーの4車種をラインアップ。

エネルギッシュかつパワフルなモデルライン

　アメリカンブランドのなかでは、もっとも若々しいイメージを持つダッジ。07年に日本初上陸し、コンパクトのキャリバー、ミッドサイズのアベンジャー、フルサイズのチャージャー、そしてジープ・チェロキーとシャシーを共にするナイトロの4車種が用意された。イメージを牽引するのはチャージャーで、6.1L V8を搭載する高性能モデルSRT8も存在する。なお本国ではスペシャリティのチャレンジャーもリリースされ、日本導入が待たれる。

本格オフローダーを揃える格式あるブランド

　オフロードでの走破性にこだわった4×4専門ブランドがジープ。紆余曲折を経て現在はクライスラーが商標を持ち、パトリオット、チェロキー、グランドチェロキー、コマンダー、ラングラーの5車種がラインアップされる。なかでも異彩を放つのがパトリオット。モノコックボディ（ダッジ・キャリバーと共通）を採用するというのは、かの歴史のなかではちょっとした事件。ただしフリーダムドライブを搭載し、走破性はジープそのもの。