
4WDスポーツのニューカマー
アウディ TTS Coupe & TT Coupe 2.0TFSI Quattro 写真●内藤敬仁輸入車情報 輸入車に関する情報満載! |
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![]() 4WDスポーツのニューカマー アウディ TTS Coupe & TT Coupe 2.0TFSI Quattro 写真●内藤敬仁より速く、より安全に、より気持ちよく……。地面に接する4つのタイヤすべてに駆動力を与えることで、FF、FRといった従来の2輪駆動勢に対するアドバンテージを目的とした、オンロード系4WDモデル。その魅力と最新のトピックを紹介しようというのがこの特集のメインテーマ。モデルケースとして取り上げるのは、すべてのモデルに4WDをラインアップするアウディ。まずは最新作TTSクーペ&TTクーペ2.0TFSIクワトロ出来栄えをチェック! スポーツクーペとしてのTTはクワトロにこそ真価があらわれる文●沢村慎太朗 写真●内藤敬仁4WDでこそ輝くアウディTTSはその最新の証明だ![]() 乗用車でもF1でも、4輪自動車はみな、加速するよりも減速するときのほうが速い。なぜならば、普通は加速は2つの駆動輪で行われるが、ブレーキは4輪に効くからだ。 そんな話を持ち出すまでもなく、4つのタイヤの限られたグリップを余さずとことん使い切るには、前輪駆動や後輪駆動ではなく、4輪駆動が望ましい。人類はそのことを百年以上前に気がついていた。史上初の4輪駆動車“スパイカー4WD”はなんと1902年に誕生しているのである。 なのに、4WD車がすぐに普及しなかったのは、シカケがヤヤコシくなって手に負えなかったからだった。なにしろFFですら一般化するのは60年代に入ってから。それ以上にヤヤコシイ4輪駆動が、特殊なオフロード車だけでなく、乗用車にも行き渡り始めたのは80年代のことだった。それまではシカケが少し簡単になる2輪駆動←→4輪駆動の切り替え式ばかりだったのだが、その頃ようやくフルタイム4WDが現れたのである。 口火を切ったのは、アウディだった。 アウディは今も昔も技術主導型のメーカーで、じつに論理的な道筋に従ってクルマを作る。70年代まで彼らのクルマはFFが主だった。前輪で舵を切って前輪を駆動して、クルマを走って曲がらせる。それこそが正しい乗用車のありかただと彼らは信じた。だから大事になる前輪をきちんと地面に押さえつけるために、エンジンを鼻先のオーバーハングに積み、敢えてフロントヘビーの重量バランスに仕立ててもいた。さらにはFFで一般的なエンジン横置きでなく、縦置きに彼らはコダワった。縦置きにすると、横置きに比べてスペース効率は落ちるが、よりフロントに荷重が掛かり、パワートレインもしっかりマウントできるのだ。 こうして縦置きFFを看板にしていたアウディが、80年代にトライしたのが4輪駆動だった。いくら鼻先を重くしても前輪だけで地面を蹴るのでは限界がある。ならば後輪も使いたい。それにエンジン縦置きだから、エンジンの背後にこれも縦置きされるギヤボックスから、そのまま後ろにドライブシャフトを伸ばせば、シンプルに4WDが実現できる……。 こうしてアウディは乗用車4WDを世に送り出し、今なおその駆動方式を看板として掲げている。その姿勢は隅々まで行き渡っており、例えばエンジン縦置きでなく横置きのTTクーペでも、彼らは4WDを用意してトップグレードとして置く。 そこに至るまでの筋道は恐らくこうだ。TTのベースになるのはVWゴルフである。しかしアウディはVWに対して格上という立ち位置。しかもTTは、特別仕立てのデザインを売りにする(そして高く売る)スペシャルである。となれば看板の4WDは必須。しかもベースのゴルフにも4駆モデルがあるから、それ以上の何かをTTは持っていなければならない。 そこでアウディが選んだのは、モノコックの前半分を鉄板でなくアルミ化して、フロントヘビーの重量バランスを弱めることだった。クルマの動きの根本に関わるところから、まず手をつけたのだ。 この方法は、えらく手間も金も掛かる割に、外からは見えないから、お客に分かってもらいにくい。そこで彼らは廉価グレードのFF版で、「いかにもハナが軽い」ことを印象付けるために、ステアリングを切ったときのハナの動きがシャープになるように仕立てを工夫した。ところがこれ、乗ってみると少々ワザとらしい。やり過ぎの感が否めないのだ。 その一方で、上級の4WD版は巧く出来ている。後輪と前輪がリンクされることで振る舞いは落ち着き、ハナの動きは過敏でなく、さらには走りのスケールが大幅に広がっている。なにしろ、前を軽くしたということは後ろがそのぶん重くなったわけで、その後ろにパワーを入れない手はない。入れれば蹴り足を利かせて、これによって回り込む動きを作れる。操舵ゲインを過敏にする必要もない。TTの『前アルミ化作戦』は4WDでこそ生きるのである。 そのことは、最新モデルのTTSに乗るとこれまで以上にハッキリする。2Lで272馬力を発揮する4気筒ターボを積みながら、挙動がとっ散らからずに上手く安定にまとまっているのは、明らかに4WDとその躾の上手さによるものである。加えて言えば、電制ダンパーなどの凝ったデバイスを備えるTTSは、それを持たない200馬力の2.0TFSIクワトロよりも、ずっと落ち着いてきれいに走る。4WDを始めとした技術を思う存分に詰め込んでこそ、技術主導型のアウディは光る。TTもそのアウディの法則に則った一台なのである。
SPEC.
TTクーペ2.0TFSIクワトロ(6速Sトロニック) 全長×全幅×全高:4180×1840×1390mm ホイールベース:2465mm トレッド前/後:1560 / 1545mm 車両重量:1400kg エンジン:直4DOHCターボ 総排気量:1984cc 最高出力:200ps / 5100〜6000rpm 最大トルク:28.5kg m / 1700〜5000rpm サスペンション前/後:ストラット/4リンク ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク タイヤサイズ前/後:245 /40R18 新車価格:499万円 TTSクーペ(6速Sトロニック) 全長×全幅×全高:4200×1840×1380mm ホイールベース:2465mm トレッド前/後:1560 / 1545mm 車両重量:1470kg エンジン:直4DOHCターボ 総排気量:1984cc 最高出力:272ps / 6000rpm 最大トルク:35.7kg m / 2500〜5000rpm サスペンション前/後:ストラット/4リンク ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク タイヤサイズ前/後:245 /40R18 新車価格:675万円
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