「メンテナンス」というと、なんだか大変なことみたいな感じがするけど、普段からちょっと気をつけてクルマを見て感じている人にとっては、たいしたことではない。水の量がちょっと減っていたり、ステアリングを回したときにちょっと感触が違ったりしたときに、その原因をすぐに突き止めて対策していれば、大きなことにはならないからだ。
逆に、普段まったく気を遣わずクルマに乗っている人だと、おかしいと思ったときには複合的な壊れ方をしてしまっていることが多くなりがち。だからクルマを手に入れたらまずは水や油の量を確認し、どういう音がしているのか、どんな感触なのかということも覚えておいて、その後変化があったときには、なるべく早くその原因を突き止めるようにしたい。それができれば、ちょっと古いクルマを買っても、怖くないのだ。
@フィルター関連
忘れがちだけどじつは大事なアイテム
エアフィルターが汚れていると、吸入抵抗が大きくなってそのぶん、燃費が悪く、エンジンの負担が大きくなる。そのためここは、車検ごとの交換を考えてもいいだろう。また外気導入部のエアコンフィルターも、定期的に交換したいアイテム。外気導入にすると風量が落ちる……という症状は、このフィルターが詰まってるケースが多い。渋滞の多い都心部ほど早めの交換が必要だ。
Aエンジンオイルなどの油脂類
定期的な交換を行うことで状態を維持
エンジンオイルやミッションオイル、ATミッションであればATフルード、デフオイルやブレーキフルード、冷却水などは定期的に交換することで、いい状態を維持し続けることができる。また、そうすることで余計なトラブルを防ぐこともできる。これはメンテナンスの基礎中の基礎。それぞれのエンジンに適したものをしっかり吟味して選びたい。
●バッテリーは、高年式車になればなるほど、さまざまな装備で電気的な負担が大きくなる。ナビなどはもちろん、車載のコンピューター関連もこれが命。そのため、定期的に状態をチェックしておき、早めの交換を心がけたい。
B内装関連
まめに堅く絞ったウエスで拭こう
ダッシュパネルなどの樹脂パーツ部は、堅く絞ったウエスで拭くのがベターなメンテナンス方法。すでに輝きがなくなっていなら、ケミカル(商品は吟味が必要)を使って輝きを蘇らせることもできる。またレザーシートやウッドパネルも、表面処理を痛めないように気をつけてマメにお掃除を。
●普段触れている部分だけに擦れや汚れはどうしてもついてしまうもの。とくにステアリングやシフトノブはウエスが真っ黒になることも。すっきりした車内は、みんなに喜ばれるし、安全運転にも繋がるもの。
Cタイヤ・ブレーキまわり
安全に直結する箇所だけに、要チェック
ブレーキはパッドやローターの減りを日頃から見ておくことが重要。国産車と異なり、輸入車はパッド2回にローター1回の交換を指定している車種も多い。ダストも発生するが効きを重視しているのだ。また、フルードを交換するときにはホースの劣化具合も確認しておきたい。そうすることで大きなトラブルを防ぐことができる。さらに、タイヤは最低でも月に一度の内圧チェックのほか、異物が溝に挟まっていないか、ヒビ割れなどが起きていないかなども確認。
大丈夫だろう、ではなく
原因を探し対策することが大事
ちょい古なクルマというのは、最近のクルマのように放っておいても大丈夫……というのとは違い、きちんと状態を確認しながら乗っていないと、予想外なトラブルに見舞われることがある。
といってもそれは、特別難しい話ではない。クルマによって弱点といわれる部分はあるから、そこを重点的にチェックしつつ、普段とは違うなにかがあったときには、すぐにプロの目でチェックしてもらおう。原因の特定と対策をすれば、大きなトラブルを防ぐことができるのだ。
そこに気をつけておけば、いまのクルマにはない魅力を、存分に味わえるはずだ。