ほしいクルマを前に、舞い上がる気持ちをちょっとだけセーブして学ぼう
クルマ購入のすべてに関わる必須トピック!
クルマというのは、いざ買おうとすると、想像以上にお金がかかってしまうもの
それだけにちょっとでも安く買える方法があるのなら、検討してみる価値はある
期間限定のキャンペーンをねらうのはもちろん、いろいろな買い方をチェックして
負担を減らしていくことができれば、そのぶんクルマとの生活を楽しむことができるのだ
文●塩見 誠
お金は大事だよ〜なんていうコマーシャルもあるけど、実際、お金は大事にしたいもの。とくにクルマは、買うときには取得税やら消費税がかかり、買ったら買ったで自動車税がかかり、走れば揮発油税がかかってしまう。そのほかにも駐車場代や保険代……、そして車検時には整備費用や重量税も!……なんか書きながら具合が悪くなってきた(!?)
しかもクルマというのは、国産輸入車にかぎらず、使っていればなんらかのトラブルが起きるものだ。そのときにかかるお金は、トラブルの状況によって違ってくるけど、そういうトラブルは直さなければ走ること自体ができないのだから、その費用というのも必要となってくる。
それだけにクルマを買うときには、なるべく頭のいい買い方をして、減らすことができる負担は、徹底的に減らしておきたいのだ。
金利が違うとこんなに差が出る支払い総額
お金を借りるときの金利というのは、公定歩合が基本になっているものだけに、低金利時代のいまはかなり有利な状況といえる。といっても、通常ディーラーで組む自動車ローンは、キャンペーン時以外は比較的高めとなっていることが多い。その場合には、いわゆる低金利ローンを利用したほうが、支払い総額を減らすことができるのだ。
実際、金利が3%違えば、下の表のように支払い総額の差は、かなりのものとなってくる。これをそのままクルマのパーツに使えば、たとえばサスペンションの交換くらいは軽くできてしまう。ここの違いはシビアに考えたい。
小さな数字と侮れない金利差
ローン元金400万円、60回払いのときの金利負担シュミレーション(ボーナス月加算総額:100万円)
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低金利ローン(3.9%) |
通常金利ローン(6.9%) |
月々支払い額 |
5万5114円 |
5万9262円 |
月々の支払い差額 |
4148円 |
分割払い手数料 |
41万7217円 |
75万5114円 |
ローン支払い総額 |
441万7212円 |
475万5114円 |
通常金利と差額 |
33万7902円 |
金利以外の条件をまったく同一にした場合の支払い額の違いをシミュレートしてみた。今回のケースでは、ローン元金は400万円で支払い回数を60回、ボーナス月加算総額を100万円と設定。金利が通常6.9%と、低金利3.9%と想定して計算している。上記のとおり、低金利のメリットは大きい。
「残価設定 or 低金利」、あなたはどちらのタイプ?
Q3〜4年後には、もっと大きなクルマに乗り換えたい……
Aあなたはズバリ残価設定タイプ。数年後に乗り換えが予想できるならば、クルマを所有している間、毎月の負担が少ないこのタイプはとても有利です。また、ボーナス払いも月々の払いも軽くしたい、という事も可能。
Q1台のクルマになるべく長く乗っていたいです……
Aあなたはズバリ低金利タイプ。長く1台のクルマを乗り続けるならば、ローンを完済するという仮定で考えるべき。ならば、月々の払いは若干多くとも、全体での金利が低いこのタイプを選択するのが有利となります。
月々の負担を軽くして夢を現実にしてくれる
車両代をすべて払うのではなく、数年先に乗り換えることを想定して、そのときのクルマの価値を担保とし、その額を車両代から引いた残りの金額のみを支払っていくというのが、残価設定ローンというものの考え方だ。
つまりこの支払い方法では、車両代の約50〜70%を分割で払っていくことになるので、そのぶん月々の負担額が低くなる。そして期間が終了したときにはクルマを乗り換えるほか、残っている金額を支払い乗り続けることもできる。ただしそうした場合の支払い総額は、低金利ローンよりも高くなりがちだ。
数年先の車両価値をあらかじめ決めるローン
@通常ローンよりも毎月の支払いが少ない
月々の支払いの対象となる分割支払い金額を通常ローンに比べて圧縮できるのが、やはり残価設定ローン最大の魅力といえるだろう。仮に同じクルマを購入するのならば、月々の負担を大幅に軽減することができる。
A据え置き価格は範囲内で任意に設定
据え置き金額の車両価格に対する割合は、それぞれの販売店によって異なってくる。月々の支払いにゆとりがあるのならば、もちろんもっと少なくしても構わない。自分の財務状況に合わせることができるのも魅力だ。
B最終回の支払い方法には3つの選択肢がある!
■車両返却車両返却することによる清算方法での乗り換えを意味する。査定でコンディションがあまりに悪い場合や改造がなされている場合は、追い金を請求される事もありうる。
■現金一括払い
現金一括払いで清算する方法。完済、所有を意味する。たとえば中古車の買い取り相場が残価設定よりも高い場合は、それを差し引いた金額で購入する事が可能だ。
■再ローン
クルマが気に入ったなどの理由で乗り続けたい場合には、現金一括払いで完済するほかに、再びローンを組むという方法も残されている。ただし、利率は比較的高めだ。
TOPIC // 1
「整備費」愛車のための必要コストだけど……
新車であれば保証期間が長いので、その場合にはその期間、大きなお金が出ていくことはない。しかし中古車を購入する場合には、ある程度の整備費を計算に入れておく必要がある。もちろん、納車時に整備をしてもらって、それをローンに組み込んでもらう……ということは可能。とりあえずいま走ればいいのか、今後数年は大丈夫なようにしてもらうのか、その判断によってかかる費用は大きく違ってくるのだ。
TOPIC // 2
「駐車代」軽く考えてはいけない駐車環境
自宅敷地内にクルマを止めるのなら考えなくていいけど、駐車場を借りる場合には、月々の駐車場代は大きな負担となってくる。とくに地価の高い都市部では、砂利引きの駐車場でも月数万円というのはよくある話だ。クルマの状態を維持することを考えると、屋根付き駐車場というのも魅力的。露天駐車場に置いていて、毎週洗車するその費用と、屋根付きで高くなった駐車場代の差額を考えることも大事。
TOPIC // 3
「保険」快適なクルマ生活の絶対条件
いくら自分が気をつけていても、なんでこんなことに、ということは起きるもの。そういうときに役立つのが保険だ。とくに対人賠償保険や対物賠償保険は、入れるかぎりの額に入っておいたほうがいいし、車両保険も入っておきたい。といっても、保険代の負担というのは、かなり大きい。そのため運転者や年齢、走行距離などの条件を細かく設定して、少しでも保険代を安くしていくことを考えたておくべきだろう。
TOPIC // 4
「ガソリン」原油高時代のサバイバル法
原油高騰のあおりを受けて、燃料代はかつてない高値になってきている。そのため少しでも節約していきたい。アクセルをゆっくり踏む、なんていうエコランテクはもちろん、地域でもっとも安い価格のスタンドをチェックしておくのは当然のことだ。さらに、石油元売り各社のカードを作ってカード支払い時の割引を受けるとか、スタンド独自の割引サービスを利用するなど、細かくチェックをしておくことが大事なのだ。