エンゲル係数が上がろうとも輸入車に乗る価値はある。これだけ国産車が道を占めてるだけに、存在感は高いからね。
ただ、闇雲に輸入車を値段や利便性で選んでも誰も褒めてくれない。その選択肢ならもっとリーズナブルで使い勝手のよい日本車があるからだ。アイデアの元は輸入車でも、それをさらに日本の風土に合わせて使いやすくした日本車は星の数ほどある。
では、ナニを基準に選べばいいのか? まず、考えるのはデザインに他ならない。輸入車のデザインこそ、日本車とは一線を画す大本命となる。極端な話をすれば、過去のどんな日本製スポーツカーを並べても、フェラーリやランボルギーニのようなイタリアンデザインや、アストンマーティンのような歴史ある英国製スポーツカーとは“格的”に適わない。とくに、アストンマーティンには「スポーツカーは美しくなければならない」、という哲学があるんだから恐れ入る。
それはともかく、BMW ・Z3のようなクルマを例にするとよくわかる。日本にもホンダS2000やマツダ・ロードスターのようなオープン2シーターはあるけれど、明らかにそれとは違う。止まっている姿を見るだけで、「走り」を予感させるワクワクさがある。「屋根を開けて走ったら気持ちいいだろうなぁ」、と想像させるデザインだ。
それは男性が見ても女性が見ても同じ。助手席に座る彼女も風を切って海岸を走るシーンを頭に浮かべる。すると、「今度の休みは海に行かない?」、なんてなる。デートカーとしてはうってつけだ。値段も98、99年頃の初期モノならなんと100万円くらいでゲット可能。程度の善し悪しはあるけれど、価格条件的に射程圏内であることはたしかだ。
さらにこのクルマはすでにZ4にポジションをスイッチしているが、それとはデザインが別物なので、旧さを感じさせない。というか、もともとのコンセプトが“レトロ・デザイン”なので、いつまで経っても旧くならないというメリットがある。
なんて条件でZ3はイチオシだけど、じつは本当の理由は他にある。女性の目を惹くデザインというのは表向きの理由で、本当の理由はこのクルマの走りの楽しさにある。というのも、クルマを「モテる」とか「女性を喜ばす」アイテムに使うのは正しいけれど、現実にはひとりで乗っている時間のことも考えなければならない。走っている時間があまりに退屈で、最新のCDをヘヴィローテションしててもしょうがないからね。
その点Z3はBMWのDNAが注ぎ込まれる。しかも、このところの高級路線とは違うファンな走りを強調していた時代の産物だ。なので、たとえひとりで夜のハイウェイを走っていても相当楽しい。ハンドリングはもちろん、加減速もクルマと一体になって遊べる。
じつはジャガー・XJをオススメするのもそんな理由がある。4ドアサルーンのこのクルマは、一見すると鈍重なセダンと思うかもしれない。がしかし、ジャガーは本来スポーツカーメーカー。ワインディングにおいてハードなコーナリングもヒラリヒラリとこなしてしまうのだ。
もちろん、そのときのステアリングフィールのよさといったらこの上ない。“ネコ足”と形容されるコーナーでの踏ん張りはクセになるかも。とにかく、街なかをゆっくり流すこともコーナーをハードに攻めることもできるのだ。しかも、XJはデザインの大きな変更がないから多少年式が旧くてもそれがわからない。そんな特典も中古で買うこいつの魅力だ。
さて、最後にプジョー206CCだが、女性にとってのプジョー人気は避けて通れない。そのイメージのよさは一級品。なので、デートの途中運転を代わるなんてワザも。女性はそのワクワク感を共有することで、男性を身近に感じるとか。そんな楽しみ方ができるのも、プジョーならでは。いやぁ、輸入車って使い方がたくさんあって楽しいね〜。 |