年収300万円世代の賢い輸入車ライフ

あなたはお金にウルサクなれますか？
FP的輸入車購入考

　憧れの輸入車生活を送るために、今の収入で大丈夫なの？　そんな心配からあと一歩を踏み出せないでいるあなた、簡単に自己診断して自分の生活にピッタリな輸入車導入のアドバイスを“お金の専門家”から受けたので紹介してみよう。今回お悩みをズバリ解決してくれるのはファイナンシャルプランナーの山口京子さん。手取り30万円と考えたときに輸入車購入は現実的にどうなのかを簡単に判断できる方法を聞いた。

「預金通帳の給料日の残高から1カ月後の給料日前日の残高を引いてみましょう。これで1カ月でどれだけお金を使ってどれだけ残ったかがわかりますよね。そしていくら残っているのかがクルマ購入の資金です」

　家賃や水道光熱費など、さらにはクレジットや週末直前に引き出したお小遣いなど通帳にはいろんな痕跡が残ってるはず。内容はともかくまずは“使用前・使用後”で比べる。今回、仮に差し引きすると10万円の黒字だったとすると、それが自由に使えるお金になるわけだが……。

「でもすべてクルマに使っちゃうのは良くありませんね。目安として収入の1割は将来設計のための準備、たとえば次のクルマを買うための準備資金としてためておきます、10万円が残る今回の例だと準備資金は3万円ですね。クルマだけじゃなく突然お金が必要になったときに役立つので重要です。そしてクルマを維持していくためのランニングコストもあらかじめ差し引きます。これは2万円程度と見積ります。すると残ったお金が5万円です。つまりクルマ購入のローンはこの5万円を限度額に組むと結論が出ます」。

　毎月黒字の出ている読者ならクルマに使える金額からローンのシミュレーション（GooWORLDのWebサイト参照）をすれば購入できるクルマがすぐに導き出せる。

　しかし、ローン支払いの元になる黒字がほとんど出ていない、毎月の給料をその月ごとに使い切ってるって読者も多いのでは？そんなキミだってまだまだクルマ購入をあきらめるのは早い。今すぐできる買うための工夫があるのだ！

「短期的に儲けてクルマを……なんて考えはまずは捨ててください。運用はあくまでも長期で考えるものですから半年後に考えているクルマ購入には似つかわしくありません。それよりも地道ですが効果的なのが毎月の支出の見直しです。例えば携帯電話のプラン見直し、契約時からそのままだと一気に5000円も安くなるケースも。また彼女や友達と行く食事や居酒屋の回数を少し減らすとか、ホームパーティで予算も抑えながら楽しむ工夫もあります。

　また、毎日何げなく使っている使途不明金も大きなポイント。使途不明金とはいつの間にか消えてしまってるお金のこと、つまり本当は必要じゃないものですね。たとえば自販機で買ってる缶コーヒーやコンビニでのちょっとした買い物などがそれ。これが1日500円だと考えると月で1万5000円は浮きますよね。これをゼロにしても生活に大きな影響はありませんからまずは削れる費用です。これらを積み重ねていけば給料日前に残高が無かった人でもクルマ購入が現実的になりますよ」。

　クルマは買ってからもガソリン代や車検、保険や税金などのランニングコストが必要。お目当てのクルマは買ったものの「ドライブに出かける費用が……」なんてことにならないように購入後の計画も大切だ。

「もっとも突発的な出費は故障です。たとえば保証が付いているクルマを買う、メンテナンスパックに契約するなどして修理のリスクを減らすのが大切です。充実した保証のクルマは購入時は少し高く感じるかもしれませんが、トータルコストを計算すれば割安になることが多いのです。とくに輸入車の場合、パーツや修理などで大きな出費になるケースも。定期メインテナンスでクルマの状態を維持して突然の出費を防ぐことが大事。もちろんガソリンは会員カードなどを作って割引価格で給油する、高速道路はETCを使って割引料金やマイレージを活用しましょう。ドライブするにしても効率の良いルートを考えたり、急発進を無くしてアイドリングストップを心がけるなどのエコ運転も大切です。

　もっとも何でもかんでもケチケチとするのではなく、クルマが好きならばクルマにかける予算の比重を高めるなど、自分ならではのバランスがあると思います。私はそれを“ハッピーバランス”と呼んでいます。しっかりと将来の準備やランニングコストを考えていれば、残りの自由に使えるお金は自分がハッピーになれる使い方をすればいい。そのバランスは結局は自分で決めるんです。現在も将来も楽しめる、そんな自分なりの予算バランスを考えてカーライフを存分に楽しんでください」。